2023年10月24日掲載

「腸に到達する歯周病菌を防ぐ!歯周病のリスクとオーラルケア」をテーマに

歯と口の健康シンポジウム2023開催

歯と口の健康シンポジウム2023開催
 さる10月24日(火)、日本歯科医師会(高橋英登会長)による歯と口の健康シンポジウム2023(パナソニック株式会社協賛)が「腸に到達する歯周病菌を防ぐ!歯周病のリスクとオーラルケア」をテーマにWeb配信にて開催された。

 冒頭、主催者挨拶にて高橋氏は本会の開催趣旨について言及し、「国民に口腔の健康が全身の健康につながることを啓発するとともに、セルフケアの実践につなげてほしい」と述べた。また、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(いわゆる骨太方針)においても「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の推進」が明記されていることにもふれ、歯と口の疾病予防の重要性を説いた。

 第1部「トークセッション」では、上田まりえ氏(タレント)の司会のもと、天野敦雄氏(阪大大学院歯学研究科予防歯科学講座教授)と桐村里沙氏(医師、認定産業医)が登壇した。まず天野氏は、正常な歯肉と歯周病に罹患した歯肉を供覧。プラークが溜まりやすい箇所として1)歯の表面、2)歯間、3)歯肉縁下――の3点を挙げ、プラークが堆積することで歯肉が炎症を引き起こすことを解説した。また、歯周病菌を活性化させる要因が鉄とタンパク質であることを強調し、活性化した歯周病菌を体内に取り込んでしまうことが全身疾患を引き起こす因子となることを説明した。なお、桐村氏は歯周病菌と全身疾患について掘り下げ、腸内に到達した口腔内細菌が腸内細菌層を乱すことで炎症を引き起こし、ひいては肥満や糖尿病、ガンの要因となることを述べるとともに、口腔ケアの大切さを説いた。

 第2部「歯科衛生士によるブラッシング講座/ジェットウォッシャーの紹介」では、歯科衛生士よりう蝕と歯周病の症状や引き起こす要因の違いについて解説がなされ、続いてパナソニック社の担当者より、ブラッシングでは磨き残しが起こりやすい歯間や歯肉縁下の汚れに対するアプローチとしてジェットウォッシャーの活用が促された。

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