2023年11月18日掲載
メインテーマに「インプラント外科学-Bone Biologyを考える-」を掲げて基礎系演者を招聘
デンタルコンセプト21、2023年度総会・年次学術大会を開催

初日は、会員Dr.発表および歯科技工士セッションが行われ、それぞれ4名が登壇した。2日目は、まずメインテーマに則った形で特別講演が2題行われた。「ミクロとマクロのBone Biology」と題して登壇した松尾雅斗氏(神歯大特任教授、当会学術アドバイザー)は、みずからの研究を臨床解剖学と称して、グラフ、データのない日常のインプラント治療の内部を「見える化」してカダバーケースを中心にビジュアルに解説した。もう1題は「骨のバイオロジー:恒常性維持機構とその破綻」と題して高見正道氏(昭和大教授)が登壇。高見氏は歯科医師ではないが、昭和大学で歯科に携わって25年、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞といった難しいRANKLの話を何とか臨床家にわかりやすく説明しようとする姿勢が印象的であった。
ランチョンセミナーを挟んで教育講演「インプラント関連外科の併発症(偶発症)では、白鳥清人氏(静岡県開業)が登壇し、豊富な臨床例をもとに術中、術直後、術後の神経損傷、上顎洞挙上術、出血・腫脹・内出血・疼痛、インプラント周囲炎で起こりうる事象に対する処置を解説した。
大会最後のシンポジウム「上顎臼歯部領域におけるインプラント治療戦略―DC21クリニカルトリートメントガイド作成に向けて―」では、中村社綱氏(熊本県開業、当会顧問)を座長に、北所弘行氏(北海道開業)、下田 徹氏(兵庫県開業)、下尾嘉昭氏(東京都開業)、三好敬三氏(東京都開業、当会顧問)、高山賢一氏(大阪府勤務)の5名が登壇。解剖学的にも制約の多い上顎臼歯部へのインプラント治療に対して本会独自ガイド作成に向けた活発なディスカッションが繰り広げられた。
確実な検査・診断を行うこと、精度の高いガイドサージェリーの導入など、会の基本的な考えを再確認できた大会となった。