2025年10月号掲載
【特別寄稿】AI活用が加速させる歯科の未来予想図 ~歯科におけるAIの現在地と今後の動向~ 後編:予防と早期発見を加速するAIの未来と活用法
※本記事は、「新聞クイント 2025年10月号」より抜粋して掲載。
歯科におけるAIの可能性 予防歯科と早期発見への期待
前編(7月号)では、AIの定義や発展の歴史を振り返るとともに、現在主流となっているAI技術や歯科医療における活用事例を解説しました。
後編ではこれまでの現状をふまえたうえで、AIが今後、歯科医療にどのようなインパクトをもたらすのかなど、予防と早期発見におけるAIの可能性、歯科医療の新たな展開、そしてAIを実際に使用する歯科医師に求められるあり方について考えてみたいと思います。
AIが歯科領域にもたらす未来像は、単なる診断支援や業務の効率化にとどまりません。今後、とりわけ期待されるのが予防歯科との親和性です。AIは、口腔内スキャンや口腔内写真、X線画像、さらに咬合圧や唾液検査結果といった多種多様なデータを時系列で解析し、患者一人ひとりのリスクの同定やリスク因子の蓄積、口腔内環境の変化を予測し把握することに長けています。これにより、将来的にはう蝕や歯周病の前兆や発症を早期に検出し、治療が必要となる前により早い段階で適切に対応することができるようになります1(図1)。