2023年11月19日掲載
歯科技工士を中心に1,000名以上が参集
第2回近畿デンタルサミット開催
本会は大阪府歯科技工士会が主催となり、近畿地方の各県の歯科技工士会の共催で開催された。前厚生労働大臣の加藤勝信氏(衆議院議員)による特別講演や本多正明氏(大阪府開業)による基調講演が行われたほか、近畿地方で活躍している歯科技工士を中心に、錚々たる顔ぶれの演者が招聘され、4つのホールの同時進行で講演が行われた。会場には、2019年に開催された第1回大会の約900名を超える1,011名が参集した。
開会式後に行われた特別講演「コロナ禍乗り越え、新たな時代に」では加藤氏が登壇。新型コロナ感染拡大で痛感したという医療分野のデジタル化の遅れを解決するため、国として進めている医療のDX化について解説した。
「デジタル技工の本質」と題して講演を行った藤松 剛氏(歯科技工士、S.T.F)は、デジタルは万能なのかと会場に投げかけたうえで、スキャナー、CAD、マテリアル、ネスティング、ミリング、シンタリング、仕上げの各項目のポイントを解説し、デジタルとアナログの融合が必要であると述べた。
「MY Shooting Style」と題して講演を行った瓜坂達也氏(歯科技工士、LUCENT Dental Laboratory)は、写真撮影と歯科技工は切っても切り離せないものだとし、シャッタースピード、被写界深度、ISO感度、ホワイトバランスなど、歯科における写真撮影に必要な要素について個別に解説していった。
「身体に調和した噛める技工装置を作る~シークエンシャルオクルージョンの補綴設計コンセプト~」と題して講演を行った前川泰一氏(歯科技工士、前川デンタルラボ)は、シークエンシャル咬合のコンセプトについて非常にシンプルかつ分かりやすく解説した。
「セットアップモデルが導く包括治療のゴール」と題して講演を行った津田 祐氏(大阪府開業)と青木健治氏(歯科技工士、LORE dental laboratory)は、包括的歯科医療における矯正歯科治療のメリットを解説したうえで、セットアップモデルを介した歯科医師と歯科技工士のコミュニケーションについて解説した。
「歯科衛生士と歯科技工士が行う情報共有の重要性」と題して講演を行った小松原夕香氏(歯科衛生士、浦野歯科診療所)と 井上陽介氏(歯科技工士、IEDITION)は、クリーニングが行いにくい補綴装置形態と、それを避けるための補綴装置製作のポイントを解説した。
最後に行われた基調講演「歯科臨床における歯科技工士の役割 咬合・機能の長期的安定」では本多氏が登壇。自身の臨床医としての歩みともに多くの長期経過症例を供覧し、材料などが変化しても炎症のコントロールと咬合(力)のコントロールが重要なのは変わらないと強調した。
2019年に開催された第1回大会後、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、4年ぶりの開催となった本会であったが、会場には非常に多くの参加者が溢れて盛会となった。閉会式では今大会が大成功を収めたことを受けて、今後の展望が語られた。