社会|2025年5月27日掲載
奥森健史氏、米澤大地氏の講演が行われる
K.S.I. OPEN SEMINAR 2025開催

さる5月25日(日)、白水貿易株式会社大阪本社(大阪府)において、スタディグループK.S.I.(奥森健史主幹、大澤浩史会長)主催のオープンセミナーが開催され、歯科技工士を中心に約50名が参集した。K.S.I.によるオープンセミナーは毎年開催されおり、今回は招待演者として米澤大地氏(兵庫県開業)が招聘された。
最初に登壇した奥森氏(歯科技工士、デンタルプログレッシブ)は、「“デンチャーで攻める”~ラボサイドでイメージする、機能させるパーシャルデンチャーの勘所~」と題して講演を行った。奥森氏は、パーシャルデンチャーが長期的に口腔内で機能するための要件を解説したうえで、マウスプレパレーションでパーシャルデンチャーを口腔内に装着する環境をつくることが重要であると述べた。また、パーシャルデンチャーのイメージが強い奥森氏であるが、本講演ではフルデンチャーについても症例を用いて解説を行った。ここで奥森氏は、「コマーシャルラボとして、チェアサイドへの立ち会い回数をできるだけ減らしつつ、クオリティの高い総義歯を製作することを目指している」と強調していた。
続いて登壇した米澤氏は、「インプラントに負けないRPDの要件」と題して講演を行った。米澤氏は、まず、パーシャルデンチャーとインプラント補綴を比較し、審美的に有利なのはインプラント補綴であり、とくに骨格性Ⅱ級患者に対するインプラント補綴の優位性を強調した。一方で、補綴治療において融通が効くのはパーシャルデンチャーであるとした。その後は、パーシャルデンチャーにおいて、前歯部のガイドをどのように与えるのかを解説し、前歯部のガイドは犬歯に与えるのが前提であるが、犬歯が欠損の場合はフレームワーク全体でガイドの負担を受けるべきであるとした。また、パーシャルデンチャーにおいては、維持・把持・支持のなかで、支持と把持が重要であるとし、具体的にレストやフレームワークの把持形態について解説した。
スタディグループK.S.I.は来年もオープンセミナーを開催する予定ということである。来年の講演にもおおいに期待したい。