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学会|2025年7月22日掲載

110名あまりが全国各地から参集し、盛況となる

日本臨床歯科学会東京支部、2025年度 第1回 ステップアップミーティングを開催

日本臨床歯科学会東京支部、2025年度 第1回 ステップアップミーティングを開催

 さる7月21日(月)、御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター(東京都)において、日本臨床歯科学会東京支部(西山英史会長)による2025年度 第1回ステップアップミーティングが開催された。会場には、7月の3連休の最終日にもかかわらず110名あまりが全国各地から参集し、盛況となっていた。

演題、演者および概要について以下に示す(講演順)。
1)教育講演「いまある機材をチェアサイドで最大限に活かす:シークエンシャルトリートメントプランへのデジタルデータ活用」吉田茂治氏(埼玉県開業)
 本演題では、日本臨床歯科学会が提唱する「シークエンシャルトリートメントプラン(Sequential Treatment Plan)」に基づく包括的な治療戦略の各ステップにおけるデジタル機器およびデータの活用について解説。なかでも特に、初学者に向けた安価な導入法を複数紹介。iPhone(Apple、米国)用フェイススキャンアプリ「QLONE」(EyeCue Vision Technologies、イスラエル)や、基本使用料が無料のCADソフトウェアBlue Sky Plan(Blue Sky Bio、米国)およびMEDIT Link(MEDIT、韓国) の使用法について症例を交えて詳説した。そのうえで、「手元のデジタルツールを活かすこと」「シークエンシャルトリートメントプランへのデジタル活用の重要性」「デジタルとアナログの融合が未来の臨床力をつくること」の3点を強調し、締めくくった。

2)一般講演1「AngleⅡ級患者に対し、アンテリアガイダンスの付与に苦慮した一症例」座長:加部聡一氏(東京都勤務)、演者:鈴木克典氏(秋田県開業)
 本演題で演者は、ブリッジの支台歯となっていた上顎右側側切歯と左側中切歯の違和感を主訴に来院した43歳女性の症例を供覧。前歯部の開咬、側方運動時の咬合干渉、また不良補綴装置が多数装着されているといった問題点を考慮したうえで、矯正歯科治療を含めた咬合再構成を行った過程を示した。その後会場では、矯正歯科治療の過程で上顎両側犬歯の移動量に限界が生じたために、アンテリアガイダンスの付与に補綴的対応が必要になった点や、術前・術後の咬合高径の変化などについて活発にディスカッションが行われた。

3)一般講演2「矯正およびインプラント治療を併用し審美機能改善を図った一症例」座長:上野博司氏(東京都開業)、演者:平田 肇氏(北海道勤務)
 本演題で演者は、補綴装置の脱離と前歯部の審美性改善を主訴に来院した65歳女性の症例を供覧。正中離開や臼歯部の合計6歯の欠損、および正中以外の歯間空隙といった問題点に対し、矯正歯科治療とインプラント補綴を行った過程を示した。会場では、最終補綴装置が患者の口唇・顔貌に対して小さく見える点が特にディスカッションされたが、賛否両論あるなかでも前歯部をクラウンやラミネートベニアとせず、残存歯を生かした矯正歯科治療のみで仕上げられていた点が評価されていた。

 また、会場ではステップアップミーティングでは初となるランチョンセミナーも催され、あわせて盛況となっていた。

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