社会|2025年8月26日掲載

気鋭の歯科医師・歯科技工士が“審美の創出”をテーマに講演を行う

VIVO Aesthetic Session Vol. 2開催

VIVO Aesthetic Session Vol. 2開催

 さる 8月24日(日)、昭和医科大学上條記念館(東京都)において、VIVO Aesthetic Session Vol. 2 ブラックトライアングル―再構築される美の輪郭(Deltan主催)が開催され、約100名の歯科医師や歯科技工士が参集した。

 VIVOは、歯周形成外科・ダイレクトレストレーション・インダイレクトレストレーションの各分野で気鋭の歯科医師および歯科技工士が、“審美の創出”をテーマに講演を行う企画で、前回は昨年11月に京都にて行われた。今回は、ブラックトライアングルへの対応をテーマに3つのセッションが設けられ、各セッションに2名が登壇し、ライブデモも行われた。以下に、3つのセッションの演題と演者、および概要を示す。

セッション1 歯周形成外科

 最初に登壇したのは「乳頭再建を意識した外科的戦略」と題して講演を行った尾野 誠氏(京都府勤務)。ブラックトライアングルに対する外科処置での対応を、骨削除をともなう場合、ポンティックサイトの場合、大きな歯肉退縮が起きている場合などに分けて、それぞれのポイントを解説した。

 続いて登壇したのは「補綴審美における歯周外科的介入の適応と判断基準」と題して講演を行った山口佑亮氏(岐阜県勤務)。ブラックトライアングルや永久歯萌出不全に対する外科処置について解説したうえで、外科治療と補綴治療は互いに補完し合う関係であり、適格な診断と治療を行うタイミングが重要であると述べた。

セッション2 ダイレクトレストレーション

 最初に登壇したのは「Minimal & Additive:無切削修復の挑戦」と題して講演を行った柿内裕輔氏(宮城県開業)。コンポジットレジン修復を行ううえでの最新のエッチング処理について文献を基に解説し、自身が行っているインジェクションテクニックについて説明した。また、ブラックトライアングルをコンポジットレジン修復で行う場合、直接法の適応なのかを見極めることが重要であるとまとめた。

 続いて登壇したのは「削らないダイレクト:Ultimate Additive Solutions」と題して講演を行った河阪幸宏​​氏(東北大学)。コンポジットレジン修復は、subtractive、subtractive+additive、additiveに大きく分けることができるとして、それぞれについて解説した。また、ブラックトライアングルに対するコンポジットレジン修復のポイントとして、スマイルライン、マテリアルセレクション、ラインアングルのコントロールが重要であると述べた。

セッション3 インダイレクトレストレーション

 最初に登壇したのは「機能と審美の両立の為のラミネートベニア修復」と題して講演を行った吉木雄一朗氏(愛知県開業)。ラミネートベニアの支台歯形成においては、最終外形の縮小形態であること、連続性のあるスムーズな形成であること、アンダーカットを作らないことの3つが重要であるとし、それぞれを実際に再現するための具体的な手技を解説した。

 続いて登壇したのは「臨床形態学を応用した審美補綴」と題して講演を行った都築優治氏(歯科技工士、Ray Dental Labor)。ブラックトライアングルに対する補綴装置製作においては、アナトミカルプロキシマルコンタクト、ロングコンタクト・ハーフポンティック、ジンジバルフレームワークデザインの3つのアプローチがあると述べたうえで、審美的な補綴治療を成功させるためにはピンクとホワイトのバランスが大切であると述べた。

 すべてのセッションが終了した後は、演者全員が参加するディスカッションの時間が設けられ、受講者から寄せられた質問に対しての回答と、演者間のディスカッションが行われた。

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