社会|2025年9月1日掲載
中島清史・中島世陽両氏が、ジルコニアディスクやシンタリングリキッドの活用法、そしてデジタルとアナログの融合をテーマにWeb講演
クラレノリタケデンタル株式会社提供で第78回WEBINARを開催

さる8月28日(木)、中島清史氏および中島世陽氏(いずれも歯科技工士、KNデンタルラボラトリー)によるWEBINAR #78「デジタルを駆使した検査・診断からのトータル技工~デジタルとアナログの融合~」(クラレノリタケデンタル株式会社提供、山口里志代表取締役社長/クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。
本Webセミナーは、「QDT」2025年2月号・3月号に中島清史氏が執筆した同名の論文を基に、誌面では語られなかった内容も含めて、(1)カタナジルコニアディスクを選ぶ理由、(2)シンタリングリキッドの使用方法、(3)ガム色ポーセレンレイヤリングテクニック、(4)ボーンアンカードブリッジの臨床例の4部構成で行われた。
(1)では、ノリタケ カタナ ジルコニアディスク(クラレノリタケデンタル)のすぐれた安定性や加工性、幅広い症例に対応できる豊富なバリエーションについて解説。天然歯の単冠ケースからフルアーチのインプラントケースまでを供覧した。透光性と強度を両立したグラデーションディスク「同・YML」を用いた少数歯症例から、強度を重視したフレーム用「同・HT」によるボーンアンカードブリッジのフルマウスリコンストラクションまで、多数の実例が示された。
(2)では、2025年1月に国内販売が開始されたジルコニア用シンタリング(カラーリング)リキッド「エステティック カララント」(クラレノリタケデンタル)の概要と使用法を解説。単純なカラー付与のBasic編と、若年者歯・高齢者歯それぞれの特徴を反映させるAdvance編に分け、動画を基に詳述した。特にAdvance編では、内面からの発色を「エステティック カララント」で表現し、その後に表層部ステイニングを重ねることで、より高い審美性を実現する手法が紹介された。
(3)では、自作の「カスタムカラーガイド」と「カスタムティッシュガイド」を用いた歯肉色シェードテイキングと、それに基づく歯肉色陶材の築盛法を解説。従来はチェアサイドとラボサイドで歯肉色を共有する指標がなかったことを指摘したうえで、これらのガイドを用いた上顎フルアーチのボーンアンカードブリッジ製作例を提示。歯肉部のウォッシュベイク、ファーストベイク、セカンドベイク、さらに歯冠部へのエクスターナルステインの4つの工程を具体的に示した。
(4)では、従来法によるボーンアンカードブリッジの症例と、可能な限りデジタル技術を取り入れた症例を紹介。後者では、デジタルの利点を活かしつつ、セファログラム分析の結果をパラメーターとして取り込むことで、より予知性の高い治療計画が立案・実践されていることが示された。
なお、本Webセミナーは無料で2025年11月29日(土曜日)まで振り返り視聴が可能である。次回のWEBINAR #79は、きたる10月9日(木)に辺見浩一氏(歯科医師、恵比寿ヘンミデンタルオフィス)を招聘し、「深在性う蝕に対するVital Pulp Therapyを成功に導くために」をテーマに開催予定。今回の振り返り配信および次回WEBINARの申し込みはいずれもこちらから。