社会|2025年7月23日掲載

築山鉄平氏が特別講演を行い全国から約120名が参集

若手歯科医師の勉強会“SSS”、第4回総会を開催

若手歯科医師の勉強会“SSS”、第4回総会を開催

 さる7月20日(日)、福岡国際会議場(福岡県)において、第4回SSS総会(角野夢子大会長、鈴木隆太郎および本城裕也コディレクター)が開催された。会員発表やコディレクター講演のほか、築山鉄平氏(福岡県開業)を招聘し、特別講演を実施。若手の歯科医師を中心に、学生や歯科衛生士なども含め約120名が全国から参集した。また、協賛企業12社による展示やランチョンセミナーなども行われた。

 SSS(Study Session on Stream)は、2020年に設立された若手歯科医師の勉強会である。“若手歯科医師が自身で学んだことをアウトプットする機会の創出と、そこから生まれるディスカッションでさらに学びを深めていく”ことを設立の目的とし、毎月のオンライン例会や年に1回の総会のほか、ハンズオンセミナー、若手歯科医師向けの年間セミナーを実施している。

 会員発表では、以下の演題にて6名の演者が登壇した。
「Full mouth reconstruction~私の中でのOptimum~」田中克樹氏(大阪府勤務)
「エンドの基礎~エンドに苦手意識がある若手Drへ~」山崎真帆氏(朝日大学歯学部口腔機能修復学講座歯科保存学分野歯内療法学)
「CR修復の軌跡と再考~臨床の振り返りから見えたもの~」田中秀明氏(愛知県勤務)
「デジタル時代の矯正治療~GPにも知って欲しい“矯正の現在地”~」赤間康彦氏(福岡県勤務)
「支台歯築造のリアル~実験から読み解く“最低限”と“最適”の処置選択~」加来伸哉氏(福岡県勤務)
「前歯部ダイレクトボンディングを審美的成功に導く為の戦略」小野馨照氏(福岡県勤務)

 また、コディレクター講演は以下の演題で行われた。
「0歳から創る、子どもの未来」鈴木氏(愛知県開業)
「デジタルで共創する、歯科の未来」本城氏(大阪府開業)

 いずれの講演においても、参加者が身近に感じてもらえるよう“演者の略歴紹介”と“若手の先生へのメッセージ”を必須項目とし、発表が行われた。また、各発表後のディスカッションでは、参加者が日ごろの臨床に対する疑問を質問し、各演者がていねいに答える光景が見受けられた。

 さらに、築山氏は「私がお伝えしたい歯科臨床~ペリオ、インプラント、審美を中心に~」と題して特別講演を行った。築山氏は、自身の学生時代からタフツ大学歯周病インプラント科へ留学に至った経緯を紹介し、自身を成長させるための師や友人の重要性を述べた。その後、前歯部領域の症例を多数供覧し、“審美は科学”との自身の考えを基に、視覚原則を満たすようスマイルデザインを計画するための着眼点や、前歯部インプラント埋入時の生体反応などについて解説し、論理的に治療を行う重要性を述べた。

 会の最後には、卒後5年以内の若手歯科医師を対象にした“SSS for Young Ember”、および歯科衛生士を対象にした “SSS for DH Hyge”を設立することがアナウンスされ、成功裏に閉会した。なお、次回の総会はきたる2026年10月25日(日)、東京都において、井村周嗣氏(静岡県勤務)が大会長を務め、石川知弘氏(静岡県開業)の特別講演などが行われる予定。

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