社会|2025年9月2日掲載
ペリオ、インプラント、咬合をテーマに自由闊達な講演が展開される
第10回 JIPI総会開催

さる8月31日(日)、ブリーゼタワー(大阪府)において、第10回JIPI(Japanese Institute of Periodontology and Implantology、牧草一人主宰)総会が開催された。
本会は、日本歯周病学会認定歯周病専門医・指導医の牧草氏(京都府開業)が主宰する「ペリオ・インプラントJIPI研修コース」を受講した歯科医師およびそのスタッフなどが参加できるもので、おもな内容はコースを受講した歯科医師のケースプレゼンテーションや、牧草氏をはじめとしたJIPI講師陣の新しいトピックスの講演となる。記念すべき第10回となる今回は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、コ・デンタルスタッフなどを含め、約110名が参集した。
まず、開会の挨拶および基調講演として牧草氏が登壇。直近のJIPIの活動報告と今後の展開を述べた後、自身が歯周病専門医・指導医としてどのように歩み、歯科医療に取り組んできたかが長期症例とともに示された。
続いて、JIPI補綴チームのリーダーである杉元敬弘氏(京都府開業)が登壇。「Now & Then and Future Prediction in JIPI prosthodontics concept. “医療”としての歯科治療を取り戻すために」のタイトルで、氏が得意とする咬合論の発展をダイナミックに概説し、いかにして現在のデジタルデンティストリー時代の咬合につながっているかを示した。また、補綴治療の原則として「機能は形態に従う」、「本人の意思より咬合が勝る」という先人たちの言葉を借りながら、咬合・顎運動・補綴治療を縦横に語りつくした。
その後、再び牧草氏が登壇。“牧草節”ともいうべく博覧強記の語り口でペリオ・インプラント治療を論じ会場を圧倒した。なかでも、2018年に発表された歯周病の新分類は、歯周病の全体像を捉えることにはすぐれていても一歯単位の診断には不向きであると述べ、自身で考案した一歯単位の診断と治療方針を決めることができる総合判定チャートシステムを紹介し、好評を博した。
なお、来年の第11回総会は来る2026年8月30日(日)に開催される予定である。