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創立記念イベントに山中伸弥氏らが登壇

2022年5月号掲載

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社会 2022年5月号掲載

創立記念イベントに山中伸弥氏らが登壇

東京都港区麻布赤坂歯科医師会/京都大学iPS細胞研究所

歯の細胞を利用した再生医学への期待が高まる講演となった。
歯の細胞を利用した再生医学への期待が高まる講演となった。
 3月17日(木)、国際医療福祉大学東京赤坂キャンパス(東京都)において、公益社団法人東京都港区麻布赤坂歯科医師会創立100周年/京都大学iPS細胞研究所(CiRA)設立10周年記念の市民公開講座「再生医学が未来を拓く~歯の細胞とiPS細胞の可能性~」が開催された。

 本市民講座は山中伸弥氏、濵崎洋子氏(ともに京都大学iPS細胞研究所教授)、中原 貴氏(日本歯科大学教授)による講演と、河奈裕正氏(神奈川歯科大学教授)をモデレーターとしたシンポジウムの2部構成にて行われた。

 第1部は、まず中原氏が「歯の細胞と再生医療」と題して登壇。氏は、歯髄の組織採取から細胞培養の過程を解説するとともに、すでに臨床研究で実績のある歯髄幹細胞を利用した歯髄再生などの取り組みが紹介された。

 次に濵崎氏が「免疫の老化と再生医学」と題し、がんやウイルス感染制御の中心を担うT細胞の免疫応答について解説。また、iPS細胞を用いた胸腺上皮細胞の培養の取り組みについても紹介がなされた。

 その後、山中氏が「iPS細胞 進捗と今後の展望」と題し、iPS細胞の研究を始めたきっかけや現在までの軌跡を紹介するとともに、その特長や今後の展望について詳細な説明が行われた。

 第2部では、河奈氏の進行のもと、中原氏、濵崎氏、山中氏によるシンポジウムが行われ、寄せられた質問に対しそれぞれ解説がなされた。

 最後の閉会の挨拶では、山中氏より市民にも研究者の活動を理解してもらうことの重要性が述べられ、成功裏に閉幕した。