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2012年2月11日

「KDM発足30周年記念発表会」開催

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 さる2月11日(土)、熊本市国際交流会館(熊本県)において、「KDM発足30周年記念発表会」が、「症例経過から探る臨床の方向性 ―インプラントとどう向き合うか―」をテーマに開催された(永田省藏大会長、山口英司会長)。「KDM」とは、スタディグループ「熊本デンティストミーティング」の略称であり、1982年に故・添島義和氏(熊本県開業、ITI名誉フェロー)の院内勉強会をルーツとして設立されたスタディグループである。活動としては日本国内でのインプラント黎明期から活躍した添島氏の影響からインプラント治療に早期から取り組みつつも、天然歯を保護する観点からのパーシャルデンチャーによる欠損補綴、あるいは欠損歯列のコントロールにも長年にわたって取り組んできている。当日の会場には200名あまりが日本全国から参集し、盛況となった。

 会場ではまず、さる2010年に逝去した添島氏の業績を称えるスライド上映と参加者全員による黙祷の後、以下の3つのセクションに分けて発表が行われた。
1)セクション1「インプラント症例の経過から学んだこと」(栃原秀紀座長、熊本県開業)  本セクションでは、KDMメンバーがかねてから取り組んできたインプラント治療の長期的予後の統計、および各種のトラブル症例とその対処が示された。
2)セクション2「臨床における歯根膜の意義を見直す」(山口英司座長、熊本県開業)  本セクションでは、天然歯を保存する、すなわち歯根膜を温存した欠損補綴の意義とその経過について、すれ違い咬合症例や歯牙移植症例、および重度の歯周病症例などをモデルに語られた。
3)セクション3「有効なインプラントの使用法を模索する」(松田光正座長、熊本県開業) 本セクションでは、KDMメンバーがインプラント治療において「最小の本数で、最大の効果を得る」べく取り組まれたケースが多数供覧された。

 全体を通じ、「インプラントを用いてどのように欠損歯列をコントロールするか」「天然歯とは異なるインプラントをいかに為害性少なく天然歯列に組み入れるか」「結果として、どれだけのメリットを患者にもたらすことができるのか」が延べ21演題にわたって考察されたといえる本発表会。会場では、前回の「20周年記念発表会」からの10年経過を追った症例も複数供覧されたが、今後も継続した予後観察・症例発表が期待される。