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2012年8月11日

「オープンデンタルCAD/CAMセミナー」開催

講師として末瀬一彦氏を招聘

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 さる8月11日(土)、東京国際フォーラムにて「オープンデンタルCAD/CAMセミナー Summer Session 2012」(データ・デザイン主催、岡村隆徳代表取締役、以下データ社)が開催された。本セミナーは、日本国内における歯科向けオープンCAD/CAMシステムの普及のために、DentalWings社(カナダ)製のスキャナー+CADソフト、およびSescoi社(フランス)製のCAMソフトの販売、およびそれらと世界各国の各種加工装置との接続・セットアップ・トレーニングを行っているデータ社が、日本国内ではまだまだ馴染みの薄いオープンCAD/CAMシステムへの疑問を解消する意味で過去数回にわたり開催しているもの。今回は外部講師として末瀬一彦氏(大歯大歯科技工士専門学校校長、日本歯科CAD/CAM学会会長)を招き、約100名の参加のもとで行われた。

 会場ではまず、末瀬氏が登壇。「歯科用CAD/CAMシステムの現状と将来展望」と題して基調講演を行った。このなかで末瀬氏は、歯科用CAD/CAMを「歯科精密鋳造以来の新技術」と位置づけた上で、そのすぐれた精度や使用症例数の増加、材料の多様化やトレーサビリティの向上などについてはもちろん、「機械に使われるのではなく、機械を使うこと」「歯科技工士をめぐる厳しい環境を改善するためのCAD/CAMの普及促進」「若い世代とCAD/CAMの相性の良さ」について訴え、臨床・教育・研究と多方面からCAD/CAMに携わってきた氏ならではの内容としていた。

 その後会場では、オープンCAD/CAMシステムの概要について解説するためのゼネラルセッション(今田智秀氏、データ社)、および歯科技工士の立場からデータ社が販売するオープンCAD/CAMシステム関連装置の使用法について解説するためのテクニカルセッション(渡邉健一氏、データ社)が相次いで行われた。なかでも今後の歯科用CAD/CAM普及へのカギは保険技工への対応にあるという立場から、「高速ワックスアップを可能にするシステム」「前装冠の窓開けやリテンションビーズの付与に対応したシステム」「大量生産・無人化の促進」といった要素について詳説された。また、データ社は元来工業用CAD/CAMへの造詣が深いという立場から、CAD/CAMを用いた新たなワークスタイルも提案。末瀬氏も述べていた若手との相性の良さや、クラウドをはじめとするネットワーク・コンピューティングを生かした在宅での補綴物設計など、歯科技工の今後のハイテク産業化への道筋も語られた。

 なお会場では、冒頭で述べたデータ社の主要取り扱い製品をはじめ、ローランド社(日本)のオープンシステム対応のミリングマシンや、ビデオカメラと同じ感覚で顔貌の三次元カラースキャンが行えるArtec社(オランダ)の立体スキャナーも展示されており、強い関心を集めていた。