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2013年3月10日

日本ヘルスケア歯科学会、学術講演会を開催

 さる3月10日(日)、東京建物八重洲ホール(東京都)にて、学術講演会「う蝕治療のニューテクノロジー」(日本ヘルスケア歯科学会主催、杉山精一代表)が開催された。

 まず、杉山精一代表(千葉県開業)が「歯質保存のう蝕治療に何が必要か?」と題して登壇。氏は修復処置を行ったすべての箇所から二次う蝕が発生している症例を挙げ、修復処置を極力行わず、健全な歯質を維持することの重要性を強調した。そのうえで、う蝕の新たな診断基準であるICDAS(international caries detection assessment system、以下ICDAS)の有用性について触れ、スコアだけで判断するのではなく、経験なども加味して判定することの重要性を訴えるとともに、患者との情報の共有化および共通理解が不可欠であるとした。

 続いて、稲葉大輔氏(岩手医科大教授)が「再石灰化療法に有用な機器QLFについて」と題して登壇。氏は初期のう蝕検査機器であるQLF(quantitative light-induced fluorescence)について講演を行った。新たに改良されたQLF-Dでは、かねてより診断可能であったホワイトスポットの光学的診断に加え、プラークの光学的診断が可能になったことを報告した。また改良されたQLF-Dを用いることにより、ICDASの判定の自動化も視野に入れているとの見解が示された。

 次に、渡部 茂氏(明海大教授)が「唾液と再石灰化の仕組みを理解する」と題して登壇。氏は多くの論文をもとに、安静時唾液の重要性を強調しながら脱灰と再石灰化の基礎的な理論を整理し、解説した。

 最後に、再び杉山代表が登壇。「新しい隣接面う蝕治療Infiltrationについて」と題し、ドイツにおいて隣接面の初期う蝕に対する新たな治療方法として開発された「Infiltration治療」について概説した。そのなかで初期病変に対する診査・診断の重要性を強調するとともに、このたび新たに厚生労働省に認可された歯面コーティング剤「ICON(アイコン)」を紹介。隣接面に対する予防的な処置として有効であるとした。しかし一方でコスト、治療時間の問題とともに、長期的な予後のデータが存在しないことを挙げ、適応症の選択と予後の観察を慎重に行う必要があることを指摘した。