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2013年3月31日

歯科インプラント市民フォーラム開催

「安全・安心なインプラント治療を求めて」をテーマに関連団体が力を結集

 さる3月31日(日)、歯科医師会館にて、歯科インプラント市民フォーラム「安全・安心なインプラント治療を求めて」(社団法人日本歯科医師会、日本歯科医学会、公益社団法人日本口腔インプラント学会主催)が、約300名以上の聴講者を集め盛大に開催された。

 初めに、インプラントホットライン創設した弁護士の高梨滋雄氏(東京弁護士会医療過誤法部部長)が登壇し、インプラントトラブルの現状と構造的要因に言及した。また、提起すべき問題として、(1)医学的根拠に基づく標準的な施術が普及していない点、(2)歯科インプラントに関する体系的教育の不足、(3)宣伝による顧客誘引の横行と患者側のリテラシーの不足を挙げた。

 上條英之氏(厚生労働省医政局歯科保健課長)は、2011年12月に国民生活センターから出された要望書「インプラントに係る問題―身体的トラブルを中心に―」の内容を紹介するとともに、広告・ホームページ対策、教育の場の確保、医療安全といった側面から問題の解決策に言及した。

 中島信也氏(社団法人日本歯科医師会常務理事)は、インプラント治療の問題を取り上げた各種報道に返答する形で、日本歯科医師会としての具体的な対応策について述べた。また、消費者がトラブルに巻き込まれないためのアドバイスを提示した。

 中尾潔貴氏(一般社団法人日本歯科商工協会参与)は、インプラント治療の啓発に努め、業界団体活動を行っている日本歯科インプラント器材協議会の概要について述べた。また、旧来の企業主催の講習会だけではなく、現在では各大学・施設におけるインプラント教育に対して協力を行っていることなど、各企業の活動の一部を紹介した。

 渡邉文彦氏(公益社団法人日本口腔インプラント学会理事長)は、国民生活センターの要望書への返答として、日本口腔インプラント学会が従来から行ってきた活動、新たにとり組む活動について述べた。具体的には、教育、専門医の育成、治療指針の作成、相談窓口の設置、インプラントカードやチェックリストの普及などの取り組みを紹介した。

 また上記の講演に加え、本フォーラムの共催団体であり、国民生活センターより質問を受けていた社団法人日本補綴歯科学会、公益社団法人日本口腔外科学会、特定非営利活動法人日本歯周病学会、公益社団法人日本顎顔面インプラント学会の理事長が登壇し、安全・安心なインプラント治療を提供するために行っている活動を紹介した。

 最後のディスカッションでは、高梨氏が提示した3つの問題点を題材として、各演者の立場から対応策が提唱された。また、トラブルが起きないために、患者側への適切な情報提供、教育の場の確保に努めていくことの重要性が再確認された。

 インプラント治療に関するトラブルが注目される中で、問題を真摯にとらえ、力を結集し、国民が安心できる治療の提供に向けた活動を行っていくという、各学会、団体、企業の強い意志が感じられるフォーラムとなった。