2013年4月21日掲載

トラブルを起こさないインプラント治療について補綴・外科の両側面から語られる

<font color='green'><b>東京医科歯科大学歯科同窓会講演会開催</b></font>

<font color='green'><b>東京医科歯科大学歯科同窓会講演会開催</b></font>
 さる4月21日(日)、東京医科歯科大学(東京都)にて、東京医科歯科大学歯科同窓会講演会「続・インプラントデビュー―補綴医の眼・口腔外科医の眼―」が、萩原芳幸氏(日大歯学部補綴学講座准教授)と河奈裕正氏(慶應義塾大口腔外科学教室准教授)を講師に迎え開催された。  萩原氏は、本邦におけるインプラント治療の現状について、トラブル発生の仕組みや傾向などに触れながら解説。また補綴学の観点から、上部構造のトラブルを未然に防ぐ方法、大きな問題に発展する前に兆候を見逃さないためのポイントについて述べた。後半では、実際の症例を供覧しながら、適切な診査・診断、治療計画立案について解説するとともに、メインテナンスにおいて欠かせない咬合調整の基本と要点について詳説した。  次に河奈氏は、インプラント手術にともなう外科的合併症について、(1)どのように予防し、(2)何を手術中に意識し、(3)起こってしまった場合はどう対応するか、という観点から講演を行った。具体的には、合併症の中でもっとも数が多いとされる下歯槽神経損傷、出血、最近トラブル数が増えている上顎洞内へのインプラント迷入や上顎洞炎、全身的因子の影響などを題材として取り上げた。また後半では、安全で効率のよい手術を行うための基本手技を解説した。  両講師の講演では、インプラント治療で重大なトラブルを起こさないための要点が細部に至るまで語られており、十分な知識と準備、真摯な心構えをもって治療に臨むことの重要を誰もが強く認識できる、非常に示唆に富んだ内容となった。

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