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2013年10月17日

日本歯科保存学会2013年度秋季学術大会(第139回)開催

「臨床をリードする歯科保存学の方向性を検証する」をテーマに

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 さる10月17日(木)、18日(金)の両日、秋田県総合生活文化会館(秋田県)において、日本歯科保存学会2013年度秋季学術大会(第139回)(宮崎真至大会長、千田 彰理事長)が「臨床をリードする歯科保存学の方向性を検証する」をテーマに開催された。本大会では2日間を通じ、シンポジウム、認定研修会、研究発表(口演、ポスター)などが行われた。

 初日の特別講演は、Dr. Jeffrey A. Platt (インディアナ大)が「Publishing Your Work in 2013- An Editor's Perspective」と題して講演。「Operative Dentistry」誌の編集委員を務める演者が、オンラインによるオープンアクセスジャーナルの登場など近年多様化する自然科学分野の学術誌出版の現状と問題点、今後の方向性を語った。その後のシンポジウム1は、日本口腔衛生学会との共催シンポジウム「歯みがきを再考するーエビデンス(根拠)とコンセンサス(合意)ー」が行われた。楠 雅博氏(兵庫県開業)、北迫勇一氏(医歯大)、飯島洋一氏(長崎大)、高塚 勉氏(サンスター)が、それぞれの立場、専門性から「正しい歯みがき」を考察。そのほか、シンポジウム2「ホワイトニングと保存治療との関わり」も行われ、国民に口腔健康美を提供するために、継続的メインテナンスをともなうホワイトニングの基礎と臨床が議論された。

 2日目は、植田耕一郎氏(日大)が特別講演2「高齢者の摂食機能の問題点と歯科保存治療への提言」と題して登壇し、要介護高齢者の特徴的な歯科疾患と摂食機能障害に対する対応法を考察。リハビリテーション医学とは「治らないからこその医療」であり、その点で、治療的アプローチの医療モデルが多い従来の歯科治療とは異なる「代償的アプローチ」を軸足において診療を行うべきと提言。そのうえで、リハビリテーション分類のなかの維持期(生活期)が歯科医師の専門性を問わず十分に対応が可能であるとした。さらに、リハビリテーション終了後の高齢者の問題は5期に分けられる摂食嚥下のなかでとくに2期(準備期)、3期(口腔期)にあり、これらに対して必要十分な知識を備えておくべきことを示唆した。その後、シンポジウム3「知覚過敏の臨床とその対応」が行われ、知覚過敏のエビデンスから臨床の実際までが詳細に語られた。

 なお、次回の同学会(2014年度春季学術大会〔第140回〕)は、山本一世氏(大歯大)の大会長のもと、滋賀県立芸術劇場を会場に6月19日(木)、20日(金)の日程で開催予定。