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2014年1月25日

鶴見大学歯学部震災援助支援委員会チャリティーシンポジウム開催

「被災地で芽生えた医療連携」をテーマに

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 さる1月25日(土)、鶴見大学会館(神奈川県)において、鶴見大学歯学部震災援助支援委員会チャリティーシンポジウム(鶴見大学・鶴見大学歯学会主催)が「被災地で芽生えた医療連携」をテーマに開催された。

 前田伸子氏(鶴見大副学長)による挨拶の後、まずシンポジウムの司会を務めた飯田良平氏(鶴見大歯学部高齢者歯科学講座)より、同学が気仙沼などにおいて継続して取り組んでいる学習支援活動「学びーば」と医療支援活動が紹介された。

 引き続き、金澤 洋氏(気仙沼歯科医師会在宅歯科医療連携室長)による講演「歯科に求められること!~震災後の多職種連携と事例より~」が行われた。氏は震災当時を振り返りながら、地域完結型の医療を実現するための多職種連携の必要性について解説。事例を交えながら、口腔ケアと摂食・嚥下リハビリテーション分野における地域全体のレベルアップ、そして医療・介護職の口腔ケア、摂食・嚥下リハビリテーションに関する知識と技術の向上に対する支援が求められているとした。

 つぎに古屋 聡氏(医師・山梨市立牧丘病院院長)による講演「多職種連携の鍵」が行われた。震災発生から現在もなお継続して気仙沼を中心に口から食べることの医療支援を行っている氏は、これまでの支援活動の変遷に触れながら、同地域における多職種連携の広がりについて報告した。また、多職種連携の鍵は「目の前の困った方にベストを尽くすこと」と述べ、氏の患者さんに寄り添う医療人としての姿に、学生を含む参加者は熱心に耳を傾けていた。

 また、川島 実氏(医師・気仙沼市立本吉病院院長)による講演「地域で人を支えるということ その想い!」が行われた。氏は医学生時代にプロボクサーに合格し、新人王を獲得したことや、震災後、医療支援を契機に常勤医不在の気仙沼市立本吉病院の院長になったことなど、みずからの経歴を披露。また、氏の日課である早朝ランニングが、地域連携の基礎となる顔の見える関係づくりに役立っていることなど、軽快なトークで会場を沸かせた。

 その後、パネルディスカッション「東日本大震災でみえた医療支援の課題と多職種連携の鍵」が行われた。質疑応答では口から食べることを支える多職種連携について、会場から積極的な質問が出され、関心の高さがうかがえた。