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2014年6月8日

ADTAトレーニングセンター開講記念セレモニー開催

愛知県技主催のトレーニングセンターがスタート

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 さる6月8日(日)、愛知県歯科技工士会館(愛知県)において、ADTAトレーニングセンター(愛知県歯科技工士会主催、鈴木永吉会長)の開講記念セレモニーが開催され、約110名が参集した。ADTAトレーニングセンターは、愛知県歯科技工士会が主催するクラウン・ブリッジ全般に対するハンズオンコースであり、カリキュラムとしては、レジン前装冠やメタルセラミックス、オールセラミックスなどが予定されている。第1回の受講者は12名で、期間は今年6月から来年3月までの計8回(各回2日間)となっている。所長を久野富雄氏(ジョエル)、チーフインストラクターを古畑公治氏(デントライン インターナショナル)、インストラクターを加藤雄一郎氏(東海セラミック)、鬼頭寛之氏(CURA ESTHETIC DENTAL CENTER)、近藤悠司氏(スタジオ悠)、鈴木宏輔氏(SUN DENTAL LABORATORY)、三浦大輔氏(ハナキューデンタルラボ)が務める。全国的にみても、企業ではなく一般社団法人である県の歯科技工士会がこのようなコースを主催した前例はなく、その動向に注目が集まっている。

 また当日は、セレモニーの後に、開講記念講演会も行われ、ADTAトレーニングセンター所長の久野氏とインストラクターの鈴木氏が講演を行った。久野氏は「精度の高い補綴物を製作するために」と題して講演を行った。氏は補綴治療の目的とは、歯牙・歯列の形態と機能を回復し、口腔内を健康な状態にするとともに、長期間保持することであるし、仮に咬合崩壊が起こってしまっていて、咬合平面が乱れているような症例の場合、そこを修正せずに、上記の補綴治療の目的は果たすことはできないと述べた。また、精度の高い補綴物を製作するためには模型の精度が非常に重要であるとあし、精度が高い模型を製作するためのさまざまなシステムを紹介した。

 鈴木氏は、「技工 GIKOU~one step of the start~」と題し、明度・彩度・色相などの色の原則を説明した後、目は簡単に錯覚を起こすため、明度対比・彩度対比・色相対比・補色対比・縁辺対比などを活用しながら、透明感などを表現しているということを、サンプルを用いて解説した。また、咬合平面の乱れを修正し、咬合高径を挙上することで、患者の全身に対して良い影響を及ぼしたと思われる症例を紹介し、自分が製作したものが、患者の身体に影響を与える可能性があることを考えると、決して日々の技工に手を抜くことなどできないと締めくくった。

 初めての試みであるADTAトレーニングセンターであるが、今後、どのように進んでいくのか、注目していきたい。