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2014年7月5日

NATIONAL SYMPOSIUM OSTEOLOGY JAPAN開催

組織修復・再生の第一人者が参集し、熱い議論が展開される

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 さる7月5日(土)、6日(日)の両日、ベルサール新宿グランド(東京都)において、NATIONAL SYMPOSIUM OSTEOLOGY JAPAN(Daniel Buser大会長)が約400名を集め開催された。

 母体となるOsteology Foundationは、口腔周囲組織修復・再建および科学的知見に基づいた新しい生体材料や外科技術の発展を目的として2003年に設立された団体で、1995年よりシンポジウムが始まり、今回初めて本邦で開催された。

 1日目をPre-Congress Forum & GTR Session、2日目をScientific programとし、2日間で合計18名の著名演者による講演が行われた。特に海外演者の4名は両日も登壇し、観衆を魅了した。以下に、その4名の講演内容を中心に記す。

 Maurício G. Araújo氏(スウェーデン・イェテボリ大)は顎堤保存療法について講演。自身の発表した論文と症例を供覧し、抜歯に関してはいかに頬側板を残すことが重要であるかを、大きなジェスチャーを交え熱っぽく語った。István Urbán氏(米国・ロマリンダ大)は垂直・水平的骨造成に言及。自家骨+Bio-Ossの混合材料を用いて広範な骨欠損へのGBRに成功した複数の症例を詳説し、座長を務めた勝山英明氏(神奈川県開業)にして「衝撃的」と言わしめた。Frank Schwarz氏(ドイツ・ハインリッヒハイネ大)は、1日目には硬・軟組織造成における切開・縫合の基礎的な技術について、2日目はトリとして聴講者の関心がもっとも高いとされるインプラント周囲炎への骨再生術的アプローチについて講演した。一度発症したインプラント周囲炎には外科的処置が必要不可欠と強いメッセージを発し、除染方法よりも欠損形態を重視すべきだとする考えを披露した。大会長を務めたDaniel Buser氏(スイス・ベルン大)はGBRの概説・歴史から話を展開し、同時GBRと段階GBRの2つを軸に、文献を用いながらその適応症や利点・欠点に触れた。EBMを意識したプレゼンであったため、シンプルでわかりやすい本講演には大きな反響があった。

 なお、時を同じくしてAraújo氏とSchwarz氏にはそれぞれ抜歯窩保存およびインプラント周囲炎に対するインタビューを執り行った。今後、『クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー』で掲載予定である。