Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2015年12月13日

平成27年度災害支援歯科衛生士フォーラム開催

講師に前日歯常務理事の柳川氏、国立保健医療科学院の奥田氏を招聘

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる12月13日(日)、ステーションコンファレンス東京(東京都)において、平成27年度災害支援歯科衛生士フォーラム(公益社団法人日本歯科衛生士会主催、武井典子会長)が開催され、都道府県歯科衛生士会ならびに災害支援担当者が参集した。本フォーラムは大規模災害での支援活動を踏まえ、都道府県歯科衛生士会の初動体制を整備するために歯科の果たす役割を理解し、円滑に災害支援活動を展開するために必要な内容を検討、討議する場として年1回開催されている。

 武井典子会長の挨拶後、柳川忠廣氏(静岡県歯科医師会会長)による講演「歯科における災害対策」が行われた。東日本大震災発生時、日本歯科医師会常務理事として災害担当を務めた柳川氏は、当時の対応について触れながら災害コーディネーターや現地の情報を収集・評価する必要性について言及。また、継続的な支援活動を行うための災害レベルごとの歯科共通のアセスメントや支援活動のポイントについてわかりやすく解説した。

 引き続き、奥田博子氏(国立保健医療科学院健康危機管理研究部上席主任研究官)による講演「災害時の地域保健活動について」が行われた。まず、災害と主な関連法制度について時系列で示しながら根拠法令や行政の仕組みを概説するなかで、防災計画における専門職の位置づけについて、「有事こそ、それぞれの専門性が発揮できるように声を大にしていかなければならない」と強調。また、災害時における心のケアとして、災害ストレスに対する反応過程について事例を挙げながら、平時よりも高いリスクコミュニケーションに留意することなど、相手の状況に配慮した支援の大切さについて述べた。阪神・淡路大震災で自宅が全壊した経験にも触れ、こみ上げてくる気持ちを抑えながら語る奥田氏の姿に会場は熱心に耳を傾けていた。

 その後、日本歯科衛生士会が作成した「災害支援歯科衛生士マニュアル(改訂版)」の活用についてグループワークが行われ、金澤紀子氏(日本歯科衛生士会顧問)や奥田氏のコメントも寄せられるなど、時間が超過するほど積極的な話し合いがなされ、盛会となった。