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2016年1月23日

「日本義歯ケア学会第8回学術大会」開催

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 さる1月23日(土)、24日(日)の両日、東北大学歯学部歯学研究科(宮城県)において、日本義歯ケア学会第8回学術大会(坪井明人大会長、佐々木啓一大会長代行)が開催され、約120名が参集した。

 23日午後からの理事会および懇親会に引き続き、24日の会場では、佐々木氏による開会の言葉が述べられた後、一般口演が延べ16演題、そして特別講演が2題行われた。以下に、特別講演の演者および演題を示す。

1)特別講演1「地域包括ケアシステムと歯科専門職の役割について」(小坂 健氏、東北大歯学部歯学研究科国際歯科保健学分野)
 本講演では、高齢者をめぐる医療の概況やそこにかかるコストに関し、さまざまな統計データを基に概観。その上で、厚生労働省が「健康日本21(第2次)」で掲げた「健康格差の縮小」について、現在起きているさまざまな地域的・金銭的格差について言及。健康にまつわる多くの施策は一部の意識ある市民にしか届いておらず、無作為割り付けでない介入はむしろ格差を増大しうるとした。

2)特別講演2「東日本大震災の経験をふまえた歯科的身元確認の現状」(鈴木敏彦氏、東北大歯学部歯学研究科歯科法医情報学分野)
 本講演では、標記大震災当時に東北大学が行った歯科的身元確認の経験およびそこで明らかとなった問題点と、それを踏まえた現在の備えについて概説。死後情報と生前情報のデータベース化において求められる要素や、歯科法医学に関する講座の設置状況や専従職員の不足について、そして東北大学において最近行われた歯科的身元確認の実例などについても示された。

 また、一般口演は材料科学、口腔機能1、口腔機能2の3つのカテゴリーにわたって行われ、チタン表面へのプラークの付着といった話題から全部床義歯の印象採得法と咀嚼能力との関連といった話題に至るまで、義歯をとりまくさまざまな演題が並び、聴衆を引きつけていた。

 なお、次回は鹿児島大学において、2017年2月に開催予定とのこと。