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2016年2月14日

MORITA Symposium Direction Future Dentistry開催

高質な臨床技術と歯科医療の本質的な魅力が若手歯科医師に伝えられた一日

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 さる2月14日(日)、グランフロント大阪・ナレッジシアター(大阪府)において、「MORITA Symposium Direction Future Dentistry~次世代を担う、若手歯科医師のあなたへ~」(株式会社モリタ主催、森田晴夫代表取締役社長)が、開場満席となる240名以上の参加者を集め盛大に開催された。

 各講演に先立ち、本シンポジウムのトータルコーディネーターである中田光太郎氏(京都府開業)が登壇し、自身が歯科医師として歩んできたこれまでの足跡を紹介。歯科医師受難の時代と言われる中、日々勉強をし、研鑽を積むことこそが医院経営を安定させ、歯科医師としての人生を充実させる道につながると語った。

 続いては山羽 徹氏(大阪府開業)が登壇し、日常臨床における正しい診査・診断方法に言及。患者さんに警戒心を持たせずに真の要求を探り出し、質の高い治療を受診してもらうための適切な医療面接のスクリーニングや、正確な現状把握のノウハウについて解説した。

 次に、三橋 晃氏(神奈川県開業)が「シンプルエンドマニュアル2016」と題した講演を展開。歯内療法に関する最新の機器やマテリアルの活用法を紹介するとともに、術中の感染管理など、原理原則に基づいた歯内療法の大切さについて症例を交えながら解説した。

 その後は、再び中田氏が登壇し、診療所における歯周治療への取り組みの重要性について語った。その内容は歯周基本治療から非常に高度な歯周外科処置まで多岐にわたったが、いずれの治療においても、妥協をせずに徹底した処置を行うことの大切さを症例とともに説くことで、熱いメッセージを聴講者に伝えた。

 木林博之氏(京都府開業)は審美補綴治療について解説。冒頭では歯科技工士としての実務経験を含む自身の経歴をたどりながら、補綴治療を突き詰めていった経緯を紹介した。症例供覧においては、特に「精度の高い仕事を短い時間で行う」ことの重要性を強調。いかに効率よく、質の高い補綴治療を歯科技工士との連携のもと行うかについて具体的な解説を行った。

 中島 康氏(大阪府開業)は、おもにインプラント周囲炎の治療と、今後のインプラント治療の展望について解説。インプラント埋入後のメインテナンスのポイントや外科的処置を含めたインプラント周囲炎対策について語るとともに、インプラント治療の将来像として、より低侵襲で、短時間で、簡便に行えるインプラントシステムの開発が進むとの展望を述べた。

 最後に登壇した奥野幾久氏(大阪府開業)は、「ワンランクアップをめざす欠損補綴」とのタイトルのもと、自身が追求しているデンチャーワークを紹介。場合に応じて旧義歯や治療用義歯を用いながら効率よく義歯治療を計画していく過程について解説した。

 講演後のディスカッションも含め、本シンポジウムが聴講者の関心を終始強く惹きつけていたのは、各演者が自身の歯科医師としての足跡、自院の経営状況などについて、すべて「本音」で語っていたからに他ならないと思われる。

 今回の演者らは、5月から開催される株式会社モリタ主催のコースの講師として、今度はより実践的な指導を行う予定である。本セミナーを通じて講師一人ひとりの人間性を知ることができた若手歯科医師は、より高いモチベーションと志をもって、当該コースを受講することであろう。