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2016年4月3日

K.S.I. 北海道OPEN SEMINAR開催

北海道初のオープンセミナー、満場の参加者で盛会となる

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 さる4月3日(日)、ロイトンホテル エンプレスホール(北海道)において、スタディグループK.S.I.(奥森健史主幹、小山邦弘会長)主催のオープンセミナー(北島正之大会長)が開催された。K.S.I.のオープンセミナーはこれまで大阪府で行われてきたが、北海道在住の同スタディグループ会員の熱意を受け、この度、北海道で初のオープンセミナーが開催されることとなった。ゲスト講師に南 昌宏氏(大阪府開業)を迎え、定員150名の会場が歯科技工士と歯科医師で埋め尽くされた。

 最初に登壇した小山氏(デンタラディア)は「機能するパーシャルデンチャーへと導くためのキーワード」と題して講演を行った。小山氏は、すべてのベースとなる欠損補綴の役割と目的を解説。最後に、多様な欠損とさまざまな状態の歯牙をもつ患者を理解し、歯科技工士としてそれに対応する力をもつ必要があると結んだ。次に登壇した藤野智之氏(藤野歯科補綴研究所)は、パーシャルデンチャーを模型に適合させることに執心していた過去の自分が、奥森氏と出会ったことで口腔内での機能を考えるようになっていったという経緯を紹介。そのためには、模型だけでは分からない情報を、自分が製作するパーシャルデンチャーにいかに反映させるかが重要であると述べた。お昼には、北海道在住のK.S.I.会員である三浦智也氏(プライムデンタル)、足立俊哉氏(札幌メディカルラボ)がランチョンセミナーとしてそれぞれ登壇。K.S.I.のコースを受講したきっかけと、そこで何を学んできたのかを発表した。

 午後には、奥森氏(デンタル・プログレッシブ)と南氏が登壇した。「審美・インプラント時代に準じたデンチャーデザイン」と題して講演を行った奥森氏は、パーシャルデンチャーが口腔内で機能するためのさまざまな要素を紹介した。特に、維持・支持・把持・拮抗・受動性・取り囲みというパーシャルデンチャーの6つの要素を紹介したうえで、それだけではなく咬合面形態とアンテリアガイドによって咬合をコントロールすることが、口腔内で長期間機能するためには重要であると強調した。また、インプラントオーバーデンチャーについても言及し、インプラントによってデンチャーは大きなメリットを得ることができるが、安易に設計をしてしまうと、その大きな力が逆にトラブルの原因になってしまうこともあると警鐘を鳴らした。最後に登壇した南氏は、欠損部補綴の着眼点として、欠損の部位と範囲、支台歯の状態、咬合、顎堤の状態という4項目を挙げ、それらを考慮した補綴設計について解説した。この中で、歯列の中でキートゥースとなるのは犬歯と第一大臼歯であり、それらを含む複数歯欠損の補綴設計について詳説。そして広範囲のブリッジには大きなリスクがあり、不用意な連冠が欠損を拡大する一要因になっていると強調した。

 初の北海道でのオープンセミナーは大盛況のうちに幕を閉じた。K.S.I. のオープンセミナーは、今後も大阪府以外での開催も検討中ということである。