Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2016年7月3日

WDAI First Meeting、華々しく開催

「女性歯科臨床家の『働く・学ぶ・生きる』を考える」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる7月3日(日)、東京コンファレンスセンター・品川(東京都)において、WDAI First Meeting(柳井智恵会長)が「女性歯科臨床家の『働く・学ぶ・生きる』を考える」をテーマに220名以上の参加者を集め盛大に開催された。WDAI(Women Dental Academy for Implantology)は、インプラント治療を主軸とした包括的歯科臨床を志す女性の歯科医療従事者を支援することを目的として本年設立され、今回が記念すべき第1回目のミーティングとなった。

 オープニングの挨拶として、本会会長の柳井智恵氏(日歯大生命歯学部教授)に続き、公益社団法人日本口腔インプラント学会理事長の渡邉文彦氏(日歯大新潟生命歯学部教授)、ITI教育監事の勝山英明氏(神奈川県開業)が登壇し、WDAIへの期待を述べた。また、ITI理事のFrauke Müller氏(スイス・ジュネーブ大教授)が女性歯科臨床医の立場から、ビデオメッセージにてエールを送った。

 次に、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)が特別講演を展開。歯科医療従事者における女性の割合が増加している現況に触れるとともに、医科領域との比較も交えた大局的な視点から、歯科医療が社会において果たすべき役割に言及した。続いて、柳井会長が登壇し、女性と医療・歯科医療のかかわりの歴史を解説し、先人の功績を振り返った。また現状、女性のインプラント臨床医が少ないという問題提起のもと、個々の女性が医療人として専門性を身に付けることの重要性を強調した。

 続いては、ファウンダーによる講演が行われた。小林真理子氏(汐田総合病院)は、おもに今後実施されるWDAIの教育プログラムを紹介。幅広いスキル・キャリアの受講者に対応すべく、ベーシックコース、メンター・プログラム、年次総会 定例会を3本の柱としていく旨を述べた。立川敬子氏(医歯大講師)は、社会における女性のキャリア形成について解説するとともに、女性医療者が教育を受ける場を提供することの重要性を強調した。田中道子氏(神奈川県開業)は、自身が歯科医師としてどのように研鑽を積んできたかをライフヒストリーとして振り返るとともに、おもにガイドサージェリーを用いたインプラント治療症例を供覧した。最後に渥美美穂子氏(神奈川県開業)も、自身の歯科医療者としての経歴を振り返るとともに、実際の症例を提示しながら、補綴専門医の視点からインプラント治療の基本について解説した。

 次に特別講演演者として登壇した小宮山彌太郎氏(東京都開業)は、インプラント治療の原則について多角的に解説した。具体的には、正しい感染管理、患者を不安にさせないための手術時の注意点、デジタルデンティストリーを過信することへの危惧などに言及し、聴講者の関心を引いた。

 最後はロードレーサーの西 加南子氏が登壇し、対談形式の講演を展開。46歳となった現在も自転車競技のJOC強化指定選手として現役を続行し、トップで活躍し続けている立場から体調管理とトレーニング法を紹介した。

 今後、社会全体において女性の活躍の場が増えることが予想されるなか、本会が終始盛会となり、華々しく開催されたことは歯科界にとっても大きな意味をもつと思われる。今後のWDAIの活動に期待したい。