2017年8月6日掲載
「噛む、も味わう、も歯科 ~歯科のチカラでずっとおいしく~」をテーマに
株式会社ヨシダ、第7回 DNA特別講演会を開催

午前中は、はじめに笹野高嗣氏(東北大大学院教授)が、「世界が注目するUmamiを活用した味覚障害・ドライマウス治療 ~歯科医療のブレークスルー~」と題し、味覚障害について、唾液との関係性を中心に詳説。味覚障害はたんなる感覚障害ではなく、全身の健康に影響する大事なサインで、見逃さないようにすることが重要だとした。また、最後に「うま味」を用いて唾液分泌を促し、味覚を刺激する訓練法を紹介した。
つぎに、石川善樹氏(予防医学研究者)が、「人生100年時代における健康づくり~うま味という観点から~」と題し登壇。健康づくりの潮流が治療から予防へと変わっている今、次なる指標である「well being(満足の本質)」を紹介した。「医食農連携」「人とのつながり」「年を素敵に重ねる支援」などを例にあげ、今後の歯科がどのように患者に関わっていくべきか私見を述べた。
午後は西田 亙氏(にしだわたる糖尿病内科院長)が「歯科的視点(歯点)こそが糖尿病栄養指導を変える ~栄養素指導を補食・咀嚼指導へ~」の題で登壇し、糖尿病外来で、味覚障害や咀嚼機能を見ずに栄養指導がされている現状を指摘。歯科からも情報を発信してほしいと訴え、今後は、医科歯科栄養連携の構築が必要だとした。
続いて、長谷川嘉昭氏(東京都開業)が「開業歯科医師からみた、噛めて美味しく食べることができる歯科医療の重要性」と題し、はじめに、残存歯数だけでは意味がなく、その歯が機能しているかが重要で、それを診ることができるのは歯科医療従事者だけだと参加者を鼓舞。患者さんの言動などからオーラルフレイルを早期にキャッチし、「口の寝たきり」を防ぐのは歯科にしかできないことだと述べた。
最後にメンタリストDaiGo氏が「ポジティブになれる匂いと味わいの心理学」の題で登壇し、嗅覚・視覚と心理の関係性を紹介。食事をより美味しく感じられる方法など、参加者の関心を惹きつけていた。