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2007年10月14日

第24回日本臨床歯周療法集談会(JCPG)学術大会開催

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 さる10月14日(日)、秋葉原コンベンションホール(東京都)にて、第24回日本臨床歯周療法集談会(JCPG)学術大会(小林和一会長)が盛大に開催された。
 本会では、「明るい明日のために――今求められる、歯周治療を原点とした歯科医療」をテーマとし、歯科医師向け、歯科衛生士向けにそれぞれ6講演がリレー形式で行われた。
 午前の歯科医師向けリレー講演では、歯周基本治療からメインテナンスまでを6名の演者にテーマを振り分けて行われた。まず、歯周炎は進行性であることをふまえて「歯周治療の診査と診断」と題して新田浩氏(医歯大准教授)が登壇。続いて、健康保険と歯周基本治療の兼ね合い、ひいては歯科衛生士の担当制を提案した若林健史氏(東京都開業)が「歯科医院における歯周基本治療の果たす役割」を講演。さらに、補綴の立場から、健康な歯肉の重要性、そして生物学的幅径の解釈までを言及した行田克則氏(東京都開業)が「クラウンの長持ちは健康な歯肉から」と題して講演。
 午後からは、インプラント治療を行うにあたって、つねに考えさせられる戦略的抜歯のとらえ方を文献と自身のケースを交えて講演した西堀雅一氏(東京都開業)の「インプラント―治療計画に基づいた抜歯、非抜歯―」、そして歯間乳頭の保存に着目し、さまざまな歯間乳頭保存術を紹介した申 基桒遏・明海大教授)の「術後の審美性を考えたフラップマネージメント」、最後に、本大会の指導的な立場である清水雅雪氏(愛知県開業)が自身の長期経過ケースを会場とともに閲覧した「長期経過からみたメインテナンスのポイント」が行われた。
 また、別会場で行われた歯科衛生士向けリレー講演では、最初に小西昭彦氏(東京都開業)による「歯周と歯肉のワンダーランド=オーラルフィジオセラピーの世界」、石原和幸氏(東歯大微生物学講座准教授)による「口腔バイオフィルムと歯周炎」が行われた。小西氏は歯周炎の起こる過程について漫画仕立てで解説し、石原氏はバイオフィルムの意味や歯周炎が全身に及ぼす影響などについて最新の論文を交えながら紹介するなど、歯周病に関する理解の深まる内容であった。
 その後、ベテラン歯科衛生士らが登壇し、村上恵子氏(村上歯科医院・歯科衛生士)による「患者さんのストーリーを取り入れた歯周治療」、大熊昌未氏(優ビル歯科医院・歯科衛生士)による「インプラントのメインテナンス時における歯科衛生士の役割について」などが行われた。どの講演も、豊富な臨床例を交えた解説で、熱心にメモをとる参加者の姿が多数見うけられた。
 この他、実習やシンポジウム「欠損補綴におけるインプラントの意義―ブリッジ? インプラント? 有床義歯?」、スタッフマナー講座も行われるなど充実した会となった。