2018年2月18日掲載
日本発の新素材による骨補填材に注目集まる
ジーシー、骨補填材「サイトランス グラニュール」薬事承認報告会を開催

開発に協力した日本医療研究開発機構(AMED)と科学技術振興機構(JST)の担当者による挨拶ののち、石川邦夫氏(九大教授)とともに研究開発を行った都留寛治氏(福歯大教授)が炭酸アパタイトの材料的特性について説明した。同じ化学由来であるハイドロキシアパタイトは破骨細胞の働きによって吸収されないが、炭酸アパタイトは吸収され骨に置換されるという違いを、ラットおよびウサギによる動物実験の結果をもとに述べた。また、炭酸アパタイト吸収後にできた新生骨は、周囲骨と同等の硬さをもつことも示された。
その後、宮本洋二氏(徳島大教授)、春日井昇平氏(医歯大大学院教授)、古谷野 潔氏(九大教授)がそれぞれの大学で行われた臨床治験について報告した。本製品はインプラント埋入を前提とした承認を得るために、上顎洞底挙上術を1回法、2回法のそれぞれで治験が行われ、各教授は良好な結果を得た治験症例を供覧したほか、他の骨補填材との違いなどにも言及した。
日本発の新素材による骨補填材の今後が注目される。