2018年3月11日掲載
本会最大規模となる200名の参加者が集まる
第9回PASSION例会開催

午前の部では、天野氏が「ペリオの達人と呼ばれるためのバイオロジー~歯周治療・管理の本当の目標~」の題で講演を行った。氏は、21世紀の歯学は予防医療や再生医療にシフトしていることに触れ、歯科医療の社会的価値がますます高まっているとしたうえで、だからこそ理解しておくべき歯周病の病因論について明快に解説した。その中でも、歯周治療・管理の目標として「出血を止めること」「口臭を改善すること」の2点を挙げ、それを中心的に担うべき歯科衛生士の役割は非常に大きいと、力強いエールが送られた。
午後の部では趣向が変えられ、まずPASSION所属の講師である金川文香氏、森田久美子氏、丸山葉子氏による症例発表が行われた。金川氏は歯周基本治療後SPTに至らず中断してしまった患者、森田氏はリスクファクターが多くBOPがなかなか下がらなかった患者、丸山氏は重度の歯周炎により無歯顎となりインプラント治療を行った患者についてそれぞれ紹介したうえで、天野氏に臨床に関する質問を投げかけた。各々のテーマに応じて具体的かつ明確に答える氏の話に、参加者は終始熱心にメモを取り続けていた。最後には、参加者から寄せられたその他の質問にも氏がていねいに回答するなど、終日活況を呈していた。