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2018年5月18日

第67回日本口腔衛生学会・総会開催

「Oral Health for All すべての人の口を健康に」をテーマに

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 さる5月18日(金)から20日(日)の3日間、札幌市教育文化会館(北海道)において、第67回日本口腔衛生学会・総会(千葉逸朗学会長、森田 学理事長)が「Oral Health for All すべての人の口を健康に」をテーマに開催された。

 会場では3日間にわたり、特別講演2題、シンポジウム8題、ミニシンポジウム4題、モーニングセッション2題、一般講演(口演、ポスター)156題、ランチョンセミナー5題など、多数のプログラムが企画された。各演題には「すべての」が冠され、「すべての国民が」くまなく健康を享受できるように、「すべての歯科医療従事者が」国民のニーズにこたえられるような社会となることを目指す大会テーマが強調されていた。

 2日目のシンポジウム2「すべての患者に安心・安全な歯科医療を~イチからわかる肝疾患の基本」では、天野敦雄氏(阪大大学院教授)を座長に、長尾由実子氏(佐賀大教授)、大越章吾氏(日歯大教授)、齋藤貴史氏(山形大教授)が登壇。歯科に身近な疾患である肝炎について、口腔疾患との関連や病態、治療法、感染対策など最新の情報が提供された。ディスカッションでは、HCV感染者の口腔疾患の症状の現れ方や、針刺し事故後の対応などについて活発な質疑応答がなされた。

 シンポジウム3「すべての人にカリエスマネジメントを」では、杉山精一氏(千葉県開業)を座長に、花田信弘氏(鶴見大教授)、名生幸恵氏(日歯大)、斉藤 仁氏(北海道開業)、林 美加子氏(阪大大学院教授)が登壇。最初に、日本ヘルスケア歯科学会代表でもある杉山氏から、歯の硬組織検査であるICDASを活用した、できるだけ歯を削らないう蝕診療の指針が提案され、各演者が小児歯科や日本歯科保存学会、臨床医といった立場から意見が述べられた。

 最終日の特別講演1「すべての国民が等しく医療を受けるために―現場からの医療改革―」では、上 昌宏氏(医療ガバナンス研究所・医師)が登壇。医療改革には、時代に適合できる人材を育成するしかないとし、(1)自分を知る、(2)仲間をつくる、(3)学んで発信する、(4)行動する、の4つのポイントについて氏が行ってきた人材育成の事例を交えた講演が行われた。とくに「コンビニクリニック」などのユニークな取り組みとその成果に、参加者は驚きの声を上げていた。

 なお、次期学会は、花田信弘氏の学会長のもと、きたる2019年5月22日(水)から24日(金)、ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター(滋賀県)において開催予定である。