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2018年10月23日

(一社)日本私立歯科大学協会、第9回歯科プレスセミナーを開催

「急発展を遂げる、歯科医療が見据える国民健康の最前線」をテーマに

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 さる10月23日(火)、コンファレンススクエアエムプラス(東京都)において、「~急発展を遂げる、歯科医療が見据える国民健康の最前線~第9回歯科プレスセミナー」(一般社団法人 日本私立歯科大学協会主催、三浦廣行会長)が開催された。本セミナーは、マスメディアを対象に今後の歯科が担う役割の大きさや魅力について講演を行い、情報を広く国民に伝えることを目的として開催されてきた。2010年10月に開始した本セミナーは第9回目の今回で最終回を迎える。

 会場ではまず、三浦廣行会長(岩手医科大副学長・歯学部長)による開会の挨拶が行われた。つぎに、羽村 章専務理事(日歯大生命歯学部教授)から、私立歯科大学・学部の設立経緯が紹介され、戦後から現代に至るまでの歯科医学教育の変化が説明された。

 続いて、小見山 道氏(日大松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野教授)が「原因不明の歯痛への対応~非歯原性歯痛の臨床~」と題して登壇。小見山氏は、同氏の所属先である日本大学松戸歯学部附属病院「口・顔・頭の痛み外来」では、原因不明の歯痛で悩む患者が数多く来院することに言及。2011年に日本口腔顔面痛学会が作成した「非歯原性歯痛診療ガイドライン」をふまえながら、非歯原性歯痛の症例を供覧した。同氏は、患者が歯の痛みを訴えていても歯が痛みの原因ではない場合があることを症例とともに説明。歯科医師と医師が連携することで、初めて原因不明の歯痛を診断し、治療することができると主張した。

 さらに、高橋一也氏(大歯大高齢者歯科学講座教授)が「歯科医学教育の今とこれから~超高齢化時代の歯科医師を育てる~」と題して登壇。高橋氏は、口腔と全身疾患は強く関連していることに基づき、口の健康増進は長寿や医療費削減につながると主張。厚労省が在宅療養の促進と地域包括ケアの構築を推進する背景として、高齢者の急速な増加に応じて医療機関を増設することができない現状を概説した。高橋氏は、高齢者歯科や訪問歯科などのニーズへの対応として、大阪歯科大学高齢者歯科学講座における高齢者歯科医学教育に関する取り組みを紹介し、変化する社会のニーズに応じた歯科医学教育の重要性を訴えた。

 最後に井出吉信副会長(東歯大理事長・学長)による閉会の辞が述べられ、盛会のうちに閉会した。