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2019年2月9日

平成30年度口腔衛生関東地方研究会大会開催

歯科におけるNDBデータ活用の現状と将来に注目の集まる会に

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 さる2月9日(土)、東京歯科大学水道橋校舎(東京都)において、平成30年度口腔衛生関東地方研究会大会(安井利一幹事長、杉原直樹大会長)が開催され、歯科医療従事者が参集した。

 最初に、上條英之氏(東歯大)座長のもと、シンポジウム「NDBデータを利用した歯科保健医療分野への活用」が行われた。NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)は、National Databaseの略で、2009年度以降に医療機関において発行されたレセプト(診療報酬明細書)に加え、40歳以上75歳未満を対象に行われている特定健診・保健指導の結果からなるデータベースによるデータを指し、いわゆるビッグデータの1つとして位置付けられるものである。もとは医療費適正化計画に関連する調査・分析のためのデータ蓄積であったが、医療サービスの質の向上などを目指し、2013年から大学などの第三者機関へのNDB提供が開始され、2016年からはオープンデータの公表も始まっている。歯科保健医療分野における活用例が少なく未知数であることから、その全貌と活用の可能性を探るべく本シンポジウムが企画された。

 シンポジストとしては、すでに医療保健分野においてNDB研究経験の豊富な野田龍也氏(奈良県立医科大)、歯科医療分野で初めてNDBデータ解析に取り組んだ恒石美登里氏(日本歯科総合研究機構)、NDBデータ解析論文の投稿を行った鈴木誠太郎氏(東歯大)の3名が登壇し、それぞれの立場と経験からNDBデータのメリット、デメリット、取り扱い方の注意点などについて紹介した。質疑応答では会場より多数の質問が寄せられ、活発な議論がなされた。

 次に、特別講演「小児う蝕から大人う蝕の時代へのフッ化物応用―頑張らなくても口腔の健康格差を縮める仕掛けづくり―」の題で、眞木吉信氏(東歯大)が講演を行った。本講演が学内で最後の講演とあって、氏がフッ化物応用をライフワークとするようになった背景から実績、フッ化物応用の変遷、近年の健康格差に対するフッ化物応用の可能性についてまで、思いの詰まった講演となった。