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2019年7月11日

第78回東京矯正歯科学会学術大会開催

米国・ペンシルバニア大学歯学部矯正科よりChun-Hsi Chung氏を招き、特別講演など行われる

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 さる7月11日(木)、有楽町朝日ホール(東京都)において、東京矯正歯科学会(槇 宏太郎会長)の第78回学術大会が開催され、1,214名が参集した。会場では、特別講演、基礎的研究について発表される一般口演が11題、症例展示、症例報告が33題行われた。

 そのうち特別講演では、Chun-Hsi Chung氏(米国・ペンシルバニア大准教授、The American Board of Orthodontics前会長)を招き、「アメリカにおける矯正歯科の現状と未来」と題して講演が行われた。

 氏は、まずペンシルバニア大学歯学部矯正科における教育プログラムや施設、デジタル化された設備について、また大学などを対象に1975年から開始されたADA(米国歯科医師会)によるCODA(歯科認証評価委員会)の教育プログラム認証制度について説明を行った。そしてABO(米国矯正歯科専門医認定委員会による専門医制度)による矯正歯科医療の質の向上に向けた取り組みについて述べた。

 さらに氏は、米国におけるアライナー矯正についてもふれた。デパートなどで販売され、患者単独で装着する器具については訴訟例も少なくないこと、矯正歯科治療を行う一般歯科では、専門医に患者をいつ送るかを見極めることが重要であるため、アライナー矯正についてもよく知っておくべきであること、またどれだけアライナー矯正が隆盛を誇っても、その適応範囲は限定的であり、矯正歯科治療の基礎を成すエッジワイズ法はなくならないであろうことなどが述べられた。

 一方、一般口演の間に日本矯正歯科学会が、「認定医・指導医申請に関する申請要件や審査基準」「医療広告ガイドラインおよび日本矯正歯科学会ホームページ倫理審査と審査基準の見直し」について告知を行い、審査基準と広告倫理について繰り返し注意を求めた。

 なお、次回の第79回学術大会は、きたる2020年7月9日(木)に同じく有楽町朝日ホールにて行われる予定。