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2019年9月23日

一般社団法人ACFF日本支部、2019年メンバーズカンファレンスを開催

リサーチプロジェクト経過報告および特別講演が行われる

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 さる9月23日(月)、学士会館(東京都)において、一般社団法人ACFF日本支部2019年メンバーズカンファレンス(林 美加子理事長)が開催され、全国から会員が集まり盛会となった。

 ACFF(Alliance for a Cavity-Free Future)とは、う蝕の発生や進行を阻止し、すべての集団がう窩のない未来に向けて進むために、包括的な臨床および公衆衛生活動を奨励することを目的に集結した、国際的なエキスパートがリードする非営利慈善組織。ACFFの目標として、(1)2026年以降に生まれる子供のキャビティーフリー達成、(2)モダン・カリオロジー教育の浸透、(3)口腔と全身の健康を視野に世界あるいは地域でのう蝕発生の不均衡を是正する、(4)う蝕マネジメントとモニタリングシステムが浸透する環境整備の4つを掲げている。現在、世界で30以上の地域・国に支部があり、日本支部は昨年3月に林 美加子氏(阪大教授)らを中心に設立。いくつかのリサーチプロジェクトを進めながら、年に1回の総会、オープンカンファレンス、メンバーズカンファレンスなどを開催している。

 今回のメンバーズカンファレンスでは、ACFF日本支部監事の桃井保子氏(鶴見大名誉教授)の座長のもと、まず林氏より「2019年上期活動報告」が行われた。つづいて、研究助成プロジェクト経過報告として3名が登壇した。演題・演者を以下に示す。

「う窩のない未来への第二歩~Okuizomeプロジェクト」 西 真紀子氏(NPO法人 最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会理事長)/神家満久実氏(歯科衛生士、東京都足立区保健センター)
「根面う蝕の新規病因論の創出」 野杁由一郎氏(新潟大教授)
「理想的なオーラルフローラとは何か」 花田信弘氏(鶴見大教授、ACFF日本支部副理事長)
 
 その後、ACFF日本支部理事の柘植紳平氏(岐阜県開業)の座長のもと、特別講演として日本ヘルスケア歯科学会代表の杉山精一氏(千葉県開業)が「ICCMSとCRASP」と題して登壇。17年前からヨーロッパで採用されているう蝕マネジメントシステム「ICCMS(International Caries Classification and Management System)」や、日本ヘルスケア歯科学会が提唱する新しいう蝕リスクアセスメントの方針であるCRASP(Caries Risk Assessment Share with Patients)などを紹介しながら、自院でのう蝕リスクアセスメントの実際について症例とともに解説した。

 ACFF日本支部では、ICCMSを日本の臨床・教育に浸透させるべく力を入れていく方針とのことで、今後の動きに注目したい。なお、きたる2020年2月24日(月)には、学士会館(東京都)を会場に第3回総会を開催予定。