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2019年10月25日

第62回秋季日本歯周病学会学術大会開催

「寿命100年時代を見据えた歯周病治療」をテーマに

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 さる10月25日(金)、26日(土)の両日、西日本総合展示場新館、北九州国際会議場(ともに福岡県)において、第62回秋季日本歯周病学会学術大会(中島啓介大会長、村上伸也理事長)が「寿命100年時代を見据えた歯周病治療」をテーマに掲げ開催された。

 1日目は、シンポジウム1として吉成伸夫氏(松本歯科大)の座長のもと、「高齢者・有病者に対する歯科治療の役割」をテーマに、大渡凡人氏、藤井 航氏(ともに九歯大)、松尾浩一郎氏(藤田医科大)が登壇し、循環器疾患をもつ高齢者に対してのリスクマネジメント、摂食嚥下障害に対するアプローチ、周術期における歯科治療・歯周病治療の役割についてそれぞれ解説した。

 特別講演2では、古市保志氏(北海道医療大)の座長のもと、Cristiano Tomasi氏(スウェーデン・イエテボリ大)が招聘され、「Preserving teeth: is it still an option?」と題して講演した。歯周病罹患歯を保存するか否かは、患者の背景やさまざまなリスクファクターを考慮したうえで行うことが重要と述べ、歯の保存について自身の経験や研究を紹介した。

 2日目に行われたシンポジウム3では、坂上竜資氏(福歯大)の座長のもと、「高齢患者に対する再生療法の現在とこれから」をテーマに、船越栄次氏(福岡県開業)、清水宏康氏(東京都開業)、築山鉄平氏(福岡県開業)が登壇した。なかでも、築山氏は「一生涯自分の歯、インプラントを守るための高齢者に対するメインテナンス」と題して講演し、これからの歯科医院に求められることとして「健康の維持」、「口腔機能の維持」、「栄養管理」の3つを挙げた。さらには「歯科医師が主役でない歯科医療」が大切であるとし、患者のモチベーションを高め、患者主導の治療を行っていくことの重要性を解説した。

 会場には両日合わせて2,700名を超える参加者が集い盛況であった。なお次回大会は、高橋慶壮大会長(奥羽大)のもと、きたる2020年5月29日(金)、30日(土)の両日、ビックパレットふくしま(福島県)にて開催予定である。