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2019年11月2日

日本歯科技工学会第41回学術大会開催

「歯科技工学が示す学術的根拠―歯科技工 温故知新―」をテーマに

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 さる11月2日(土)、3日(日)の両日、石川県地場産業振興センター(石川県)において、日本歯科技工学会第41回学術大会(二川浩樹会長)が「歯科技工学が示す学術的根拠―歯科技工 温故知新―」を大会テーマに開催された。第41回目を数える今大会では、認定士・専門士講習会、教育講演、大会長講演、特別講演をはじめ、4つのシンポジウムと2つのテーブルクリニック、そして多数のポスター発表や企業展示、さらにテクニカルコンテストが行われるなど盛況となった。

 1日目には教育講演として伊原啓祐氏(鶴見大歯学部歯科技工研修科)による「知識で変わる歯のかたち」、大会長講演として坂下英明氏(明海大歯学部)による「顎義歯なくして顎外科なしの精神が歯科医療を再興する」、外田 智氏(株式会社ニッシン)、橘 弘之氏(日歯大附属病院診療協力部・歯科技工室)による「シンポジウム1 保険診療の新技術に対する歯科技工学からの対応」、大島克郎氏(日歯大東京短期大学)、下江宰司氏(広大大学院)、飛田 滋氏(明倫短期大)による「シンポジウム2 歯科技工教育大綱化の現状と今後の展開」、ほかにも認定士・専門士講習会とテクニカルコンテストが行われた。シンポジウム1では今年保険収載された下顎全部床義歯の間接法軟質裏装材とファイバーを用いた高強度コンポジットレジンブリッジについて、製作における注意点と勘どころが解説された。

 2日目は、堀 義明氏(厚労省)、田地 豪氏(広大大学院医系科学研究科)、堀口逸子氏(東京理科大薬学部)、小畑 真氏(小畑法律事務所)による「シンポジウム3 歯科技工業の業務モデルの現状と将来」、特別講演として東 洋一氏(福井県立恐竜博物館)による「発掘で明らかになってきた北陸の恐竜時代」、佐藤幸司氏(佐藤補綴研究室)、星 久雄氏(星デンタルラボラトリー)による「シンポジウム4 義歯『温故知新』木床義歯からCAD/CAM 義歯まで」、ほかにも2題のテーブルクリニックとポスター発表が行われた。最後に行われたシンポジウム4では本大会のテーマを体現するように、木床義歯から最先端のCAD/CAMデンチャーまでの総義歯の歴史を紹介するとともに、総義歯を製作するうえで必要な学術的根拠が解説された。

 今大会では臨床的な面だけではなく、教育や職場環境など、これからの歯科技工士業界を考えるためのシンポジウムがプログラムされていたことが印象的であった。デジタル化が進むことで製作法やラボ経営も含めて歯科技工業界全体が過渡期となっている現在、参加した歯科技工士それぞれが今後を見据えるためのきっかけになったのではないだろうか。

 なお、来年の歯科技工学会は広島県で行われる予定ということである。