Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2020年2月16日

株式会社Himmel、セミナーを開催

福井秀和氏による2日コース、大好評のうちに終了

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる2月16日(日)、新大阪丸ビル別館(大阪府)において、株式会社Himmel(田上めぐみ代表取締役社長)によるセミナー「ペリオ治療の本質を知る」が開催され、歯科医師、歯科衛生士ら約90名が参集した。本セミナーは2日コースとなっており、2日目となる今回も、前回(先月19日)に引き続き、福井秀和氏(長野県勤務、ヨーロッパ歯周病学会歯周病専門医)が講師として招聘された。

 冒頭、福井氏は本セミナーのメインメッセージである、患者の自立を促す医療の意義について、前回の講演内容を振り返りながらあらためて整理した。そのうえで、患者の現在の口腔内の状態を把握するのはもちろん、過去からの連続性をふまえて将来を予見する際にも不可欠である検査、特に軟組織の状態を診るプロービングの重要性を強調した。

 続いて話題はインプラント周囲病変に移り、まずインプラント周囲の炎症は初期こそ歯周組織の炎症と似ているものの、ある程度進行すると、炎症の進行、広がりはインプラント周囲病変のほうが大きいことを提示。また、特に中等度以上のインプラント周囲炎では歯周炎の治療に比べて予知性が高くないこと、それだけに疾病予防、少なくとも重症化する前に疾患を早期に発見することが重要で、そのためにはインプラントこそプロービングによる検査やSPTが必須であることを詳説した。さらに、各部位の歯根における解剖学的形態についてもそれぞれ掘り下げるとともに、何が標準的で、目の前にいる患者はその標準とどこが違うのかを検査で推し量ることが大事であると言及した。

 最後に、行動変容への動機を形成・強化する面接スタイルである動機づけ面接(motivational interviewing:MI)について解説。人の考えや行動には「変わりたいけど変わりたくない」という両価性(アンビバレンス)がともなうこと、患者の間違いを正そうとする「正したい反射」に医療者が陥りやすいことなどを理解する必要があるとしたうえで、MIの4つのスピリット(PACE)や4つの戦略(OARS)、チェンジトークについて実際の会話例などとともに説明した。

 前回同様、講演は終始一貫して新旧の論文に基づいており、理路整然と話す福井氏の講演は好評を博した。合間に行われた質疑応答では参加者からの質問が相次ぐなど、会場は終始熱気に包まれていた。