Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2020年6月13日

嘉村田中岩永米国専門医.com、第2回オンライン講演会を開催

「インプラント臨床解剖:口腔底を怖がる前に知っておきたいこと」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる6月13日(土)、オンラインミーティングプログラムのZoom上において、嘉村田中岩永米国専門医.comによる第2回オンライン講演会が「インプラント臨床解剖:口腔底を怖がる前に知っておきたいこと」をテーマに開催された(写真は主催者提供)。

 嘉村田中岩永米国専門医.comは、米国で専門医として研究・診療にあたる嘉村康彦氏(テキサス州ダラス勤務)、田中 毅氏(フロリダ大)、岩永 譲氏(ルイジアナ州ニューオーリンズ勤務)の3氏が主宰するスタディグループ。本年4月の開催につづく2回目のオンライン講演会となる今回は、嘉村氏による趣旨説明の後、田中氏と岩永氏がそれぞれ講演した。

 まず歯周病専門医である田中氏が講演し、インプラント治療では偶発症が問題となることが多いが、なかでも舌側への穿孔、骨膜の損傷といった出血に関連した合併症が起こる率がもっとも高いとした。それをふまえ、「舌側に部分層弁・縦切開を行うリスクはどれくらいあるのか?」「舌神経の位置を知る解剖学的なランドマークはあるのか?」といった質問を、臨床解剖医である岩永氏に投げかけた。

 岩永氏は、舌側を切開する際の解剖学的な注意点についてふれ、舌神経とレトロモラーパッドの関係に言及。過去の報告では舌神経の走行に関して曖昧なものが多く、実際の解剖を正確に表しているとは言い難いとしたうえで、岩永氏らが行った研究では、臼後部での舌神経は翼突下顎隙から臼後腺の裏を通過し内側に回って口腔底に進入していたと述べた。

 まとめとして、口腔底(舌側)を扱う際は陥凹を意識し、全層弁で剥離して穿通枝に気を付けることや、舌神経は骨膜の向こう側にあること、例外として筋の付着は見えることもあるとし、「切開・剥離などすべての手技において大事なのは根拠をもって行うことであり、“今まで大丈夫だったから”という理由で行ってはならない」とまとめた。

 本講演会は300名の定員に対し、450名から申込みがあるほどの盛況ぶりであった。なお、嘉村田中岩永米国専門医.comの次回セミナーは、デンタルキャリアセミナー(通称:デンキャリ)とのコラボ企画をきたる6月20日(土)20時(日本時間)より、Zoomによるオンラインにて開催予定。詳しくは、Facebookページ「嘉村田中岩永米国専門医.com」を参照されたい。