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2020年10月4日

TRI Basic Courseを開催

十分な予防体制のもとで、船登彰芳氏による待望のハンズオンが行われる

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 さる10月4日(日)、新橋交通ビル(東京都)においてTRI Basic Course(TRIデンタルインプランツ株式会社主催、太田 昇取締役社長)が開催された。講師に船登彰芳氏(石川県開業)と藍 浩之氏(愛知県開業)を迎え「Total Extraction Therapy(TET)とPartial Extraction Therapy(PET)の実践」をテーマに、ハンズオン形式で行われた。新型コロナウイルス感染防止のため参加人数は21名に限られ、入り口での検温、会場内では次亜塩素酸ナトリウムの噴霧など、十分な予防体制が敷かれていた。

 午前10時から開始予定であったが参加者の多くが9時半に集まったため、参加者のために船登氏による再生治療のスペシャルセミナーが急遽開催された。リグロスやサイトランスグラニュールなどの新しい材料を応用して十二分に硬・軟組織が再生された症例が供覧・解説された。詳しい内容は「the Quintessence」 2021年1月号からの5-D Japanの執筆陣による連載に掲載されるとの告知もされた。

 最初に、今回のハンズオンで用いるTRIインプラントの特長について船登氏から解説がなされた。強固な初期固定が得やすく、プラットフォームスイッチング機構を有するため、非常に有用であるが、どのようなインプラントにも利点と欠点はあるので自身で把握して応用することが重要であると、TRIインプラントを用いた自身の臨床例をもとに語った。

 その後、午前には抜歯後即時埋入とプロビジョナルレストレーションの製作に関する講義と模型によるハンズオンが行われた。インプラントを口蓋側に埋入する際に硬い口蓋骨にドリルが流されないためのコツや、天然歯を模倣するTotal Extraction Therapyに基づくプロビジョナルレストレーションの製作のポイントなどが語られた。

 午後は、歯根の一部を抜歯窩内に温存することで歯槽堤を維持する、ルートサブマージェンステクニックやポンティックシールドテクニックおよびソケットシールドテクニックを総称したPartial Extraction Therapy(PET)についての講義とそのハンズオンが行われた。ソケットシールドテクニックでは、インプラントの唇側に薄く加工した歯根片を残す。骨縁で軟組織を誘導するために歯根片にベベルを付与し、併発症を防ぐためにインプラントと接触しない薄さにまで歯根片を削るなどの解説だけではわかりにくい臨床的な勘どころについては、船登氏、藍氏が模型実習のなかで参加者へていねいにフォローしていた。

 今回のコースは募集からたった3日で満席となったという。コロナ禍において多くの講演が中止となるなか、待望のハンズオンであったと思われる。そのためか終日活気に満ち溢れ、参加者は皆それぞれに収穫の多い1日であったであろうという印象を持った。

 TRIデンタルインプランツ株式会社では次回のハンズオンとして、きたる11月22日(日)にサイナスアプローチコースを予定している。