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2020年10月16日

日本歯周病学会、第63回秋季オンライン学術大会を開催

糖尿病を中心に、歯科と医科の連携について多方面から取り上げられる

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 さる10月16日(金)から、第63回秋季日本歯周病学会オンライン学術大会(三邉正人大会長、村上伸也理事長)が「歯科医科連携による歯周病リスク管理」をテーマに開催されている(視聴期間は11月30日正午まで)。コロナ禍の影響で、春季学術大会に引き続きWeb開催となった本会だが、特別講演、シンポジウム、中国牙周病学会(CSP)招待講演、教育講演、倫理委員会企画講演、市民公開講座、口演発表、ポスター発表、共催セミナーなど、現地開催と同様に充実したプログラムが組まれた。講演動画・抄録はオンデマンドで視聴・閲覧できるほか、式典やWeb討論についてはLive配信されるなど、新たな取り組みも行われた。

 シンポジウムⅡでは、大会テーマにも掲げられた歯科医科連携の1つとして、「糖尿病関連歯周炎」をテーマに議論がなされた。なかでも、本学会のペリオドンタルメディシン委員会委員長を務める西村英紀氏(九大大学院歯学研究院口腔機能修復学講座歯周病学分野)は、歯周病は糖尿病固有の合併症ではなく、あくまでも糖尿病は歯周病のリスク因子であるため、「糖尿病性歯周炎」とはならず、「糖尿病関連歯周炎」と捉えるべきであると主張。そのうえで、どのような糖尿病が歯周病の進行を促進させるのか、歯周治療によって血糖コントロールの改善が期待できるのはどのようなケースかについて、国内の介入研究をまとめた結果をふまえて紹介した。

 歯科衛生士シンポジウム「保健指導を見据えた歯科医科連携による食事栄養指導」では、3名の演者が登壇。中澤正絵氏(医療法人盟陽会富谷中央病院・歯科衛生士)は糖尿病治療の食事療法における咀嚼機能の重要性について、自身の症例などを交えて提示した。工藤亜貴子(医療法人社団三咲内科クリニック・管理栄養士)は、内科クリニックとして咀嚼機能検査を実施し、患者に介入している実際を披露した。山本裕子氏(神歯大短期大学部歯科衛生学科・歯科衛生士)は歯科衛生士が行う食事栄養指導の新しい可能性として、腸管免疫に着目した自身の研究内容について示した。