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2020年12月27日

(一社)訪問看護支援協会、BOCフォーラム2020を開催

口腔ケアにかかわる医療従事者によるディスカッションで盛会となる

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 さる2020年12月27日(日)、BOCフォーラム2020(一般社団法人訪問看護支援協会主催)がオンラインミーティングのZoomにて開催された。本フォーラムは、(一社)訪問看護支援協会(高丸 慶代表理事)の認定資格「Basic Oral Care(以下、BOC)プロバイダー」のインストラクターおよびメンバーを対象にオンラインで開催され、臨床現場を取り巻く口腔ケアの現状や課題の共有、それら解決するための取り組みについて4時間以上にわたり講演ならびにディスカッションが行われた。

 高丸 慶代表理事による開会の挨拶後、BOCプロバイダー認定講座統括者の長縄拓哉氏(歯科医師、デジタルハリウッド大大学院)より、2018年からスタートしたBOCの概要やその活動をとおした成果物の紹介などが行われた。

 その後、Session1「ニューノーマル時代の口腔ケア―BOCプロバイダーの取り組みを紹介―」が開催され、長縄氏のモデレーターのもと、菊岡智美氏(鈴鹿回生病院)による講演「Afterコロナから見えた、新しいコミュニケーションデザイン~病棟看護編~」、雑賀真紀氏(さいがケアファルマ合同会社)による講演「病院看護から地域医療へ~独立したけどこれからどうしよう~」、岡崎麻衣氏(鹿野博愛病院、いずれも看護師)による講演「地域食堂発信!!食べることから考える健康へのアプローチ」がそれぞれ行われた。

 Session2「BOCアカデミーの現状、対談」では、加藤智崇氏(日歯大附属病院総合診療科)によるモデレーターのもと、1年間に及ぶ口腔ケアに関連する研究をとおして最終的に学会発表や論文作成を目指す「BOCアカデミー」の意義やセミナーの流れなどが概説された。また、受講者である藤戸麻由氏(国立病院機構長崎病院)、鈴谷由美氏(三井精機工業株式会社人事総務部付診療所、ともに看護師)による実際の取り組みも紹介された。

 Session3「歯科医療を通じて、予防医療をアップデートする」では、竹山 旭氏(株式会社NOVENINE、大阪府開業)による講演が行われた。竹山氏は、歯科として一次予防(セルフケア)のさらなる周知と、二次予防(早期発見・治療)との差を縮めるための予防歯科の重要性を強調。歯科医療の現状や取り巻く課題を解決するためのテクノロジーとしてIoT電動歯ブラシ「SMASH」といったプロダクトやスマートフォンを活用したサービスが紹介され、最後に「歯科医院はすべての予防医療の拠点になれる」とまとめた。

 Session4「訪問看護支援協会の取り組み」では、三浦京子氏(秋田労災病院、看護師)よりBOCプロバイダーの立場から地域の看護現場における口腔ケアの現状についてデータが示されるとともに、看護師の意識改革や人材育成など、今後の課題にも言及した。また、モデレーターを務めた高丸代表理事は、今後の訪問看護支援協会の目指す方向性やさまざま現場で活躍するBOCプロバイダーの可能性に期待を寄せ、本セッションを総括した。

 最後に、砂田将弥氏(訪問看護支援協会)より「BOCのビジョン」としてこれまでの活動が時系列で示されるとともに、「BOCという共通認識をさらに広めるためのプログラムやサービスを活用してほしい」と述べ、本フォーラムは成功裏に閉幕した。