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2021年1月17日

国際歯科医療安全機構、学術研修会名古屋を開催

「喫緊の課題:医療安全、放射線管理、感染対策を考える」をテーマに

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 さる1月17日(日)、学術研修会名古屋(一般社団法人国際歯科医療安全機構主催、瀬戸晥一理事長)が、名古屋大学大学院顎顔面外科学主管(日比英晴代表)のもと、WEB形式によるLive配信にて開催された。本学術研修会は、歯科診療報酬上の基本診療料および外来診療環境体制加算に関する施設基準に係る届出に必要な院内感染防止対策、医療安全に関する内容を含む講習として、2018年7月より全国各地で開催されてきたが、新型コロナウイルス感染症の影響による中断を経て、約1年ぶりに再開されたものである。

 はじめに、瀬戸氏が「ウィズコロナ時代の感染拡大防止策を歯科から考える」と題して講演。この1年のCOVID-19の足取りを概説するとともに、口腔が最大の感染現場であることが明らかになってきたと強調。口腔での感染拡大防止策として、感染症の専門家と歯科医療者による研究体制構築の重要性を述べ、本機構として、各種洗口薬の効果や安全性の研究、歯科医療機関に向けたガイドラインの提言、口腔外科医療現場でのPCR検査の実現などの取り組みを行っていくことを紹介した。

 続いて、現場最前線で活動中の講師陣による、コロナ禍をふまえた医療安全・感染管理などにかかわるタイムリーなテーマにて講演が行われた。演題・演者は下記のとおり。

「新型コロナウイルスパンデミック期における口腔健康管理の重要性」(花田信弘氏、鶴見大教授)
「消毒・滅菌方法の正しい理解、非常時の対応」(瀬島俊介氏、バイオメディカルサイエンス研究会理事長)
「歯科診療における診療用歯科放射線の安全管理ガイドラインに関して ~歯科医療機関において対応・整備すべき点~」(浅海淳一氏、日本歯科放射線学会理事長、岡山大教授)
「歯科医療関係者が知っておいてほしい感染症とその対策:感染症科医の立場から」(森岡 悠氏、名古屋大助教)
「患者安全の全体像」(長尾能雅氏、医療の質・安全学会理事長、名古屋大教授)

 このなかで、COVID-19感染の初期症状として、海外では口腔粘膜病変が発現した症例が報告されていること(花田氏)、床に付着したコロナウイルスによる感染防止の観点から、整理整頓による床清掃しやすい環境が重要(瀬島氏)などの情報が提供された。

 本機構では、引き続きWEB形式による学術研修会を開催予定とのこと。安全で安心な歯科医療の提供が求められるなか、さらなる取り組みの推進が期待される。