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2021年3月21日

東京医科歯科大学歯科同窓会、講演会を開催

阿部仁子氏、須貝昭弘氏らが登壇

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 さる3月21日(日)、東京医科歯科大学歯科棟南4階特別講堂(東京都)において、講演会「子どもの口腔の形態と機能を知り、そして育てる―口腔機能発達不全症を正しく理解する―」(東京医科歯科大学歯科同窓会学術部主催)が、講師に阿部仁子氏(日大歯学部摂食機能療法学講座准教授)と須貝昭弘氏(神奈川県開業)を迎え開催された。

 阿部氏は、「いま、子どもの口腔機能に何が起きているか」と題し、口腔機能とは何かに始まり、摂食嚥下機能の発達・獲得の正常像、口腔機能発達不全症の評価や管理の概要、そして摂食嚥下障害への対応などについて解説した。特に摂食嚥下障害への対応では、乳幼児を中心に、豊富な動画を交えながら、患児の食事時の口の動きや行動、保護者から聴取したエピソードなどから機能を評価するポイントや訓練など対応の実際について解説。成長し、成人となった後も、口腔機能はその人が乳幼児期に獲得したものがベースとなることから、機能獲得の過程を歯科でサポートしていくことが必要であるとし、いま歯科医療は口の「機能」を診る時代となっていると締めくくった。

 また、須貝氏は、「きれいな歯列は正しい機能から」と題し、呼吸や嚥下にかかわる諸器官の解剖や動き、理想的な歯列の成長発育の例、正常咬合になることを妨げる因子とそれらの取り除き方、その際に使用する各種装置、そして須貝氏の医院で行っている口唇や舌のトレーニングなどについて解説した。須貝氏は、「機能だけで形態は整うか?」という問いに対して、機能不全がなかったとしても歯の大きさなどその他の要素によって歯列不正になるとし、形態を整えながら正しい機能を獲得させることが肝要であると強調した。また、上下顎切歯交換期の間に歯列を正しい成長過程に乗せることを臨床上の目安としているとし、それができそうになければ専門家への紹介を考えるという線引きを示した。

 講演後の質疑応答では多数の質問が寄せられ、盛会のうちに終了となった。