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2021年4月4日

子どもの咬合を考える会、第24回特別講演会を開催

有田信一氏、関根陽平氏らを招聘

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 さる4月4日(日)、京都テルサ テルサホール(京都府)とオンライン配信のハイブリット方式にて、子どもの咬合を考える会(三村善郎会長)の第24回特別講演会「丈夫な子、優しい子、賢い子に育つために!! ―不正咬合を予防する―」が有田信一氏(長崎県開業)と関根陽平氏(東京都開業)を招聘し開催された。なお、本講演会は昨年に開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1年繰り延べとなったものである。

 まず、有田氏が「私の予防矯正の歩みと今後の課題と展望」と題し、「丈夫な子、優しい子、賢い子に育つ予防矯正の視点」として、不正咬合の要因の(変遷の)視点、食べる機能が育つ視点、鼻呼吸機能が育つ視点、運動機能(横隔膜呼吸を含む)が育つ視点の“4つの視点”について解説。特に食べる機能に関しては、月齢・年齢によらず小児個人の歯列咬合と食べる機能の発達段階を歯科医師が把握し、それに応じた食事(食材、調理形態)を専門家として提案できないといけないとした。これまで「不正咬合の要因はなにか?」を小児歯科医としての自身のテーマとしてきたが、不正咬合には今回取り上げた口腔機能、食環境、鼻呼吸機能、横隔膜呼吸を含めた体幹の育ちが大きく影響していることから、現時点で前述の問いに答えるならば「その小児の生活そのものです」と答えると講演を締めくくった。

 次に、関根氏が「ジュニア・ユースアスリートの未来のために予防矯正は何が出来るのか」と題して、歯科医師、鍼灸師、アスレティックトレーナー、医学博士とさまざまな顔をもつ関根氏の多方面にわたる活動のなかから、アスリート、とくにジュニア・ユース世代のアスリートへの矯正治療を中心とした歯科的なサポートについて紹介。歯を失う原因にもなる顎口腔領域のスポーツ外傷の予防においては、マウスガードが高い有効性をもつにもかかわらず、なかなかスポーツの現場に普及しない現実を鑑み、ジュニア・ユース世代からマウスガードの必要性を教育することが大切であると訴えた。また、地域での活動として、地域のトップスポーツチームを軸とした地域活性化策である「OTA Sports United Project」を紹介した。

 続いて、馬渕隆史氏(京都府開業)の座長のもと、有田氏、関根氏をシンポジストとして、シンポジウム「丈夫な子、優しい子、賢い子に育つために!!」が行われた。インビザラインに対する両氏の見解が症例を交えて述べられた後、質疑応答が行われた。次回の特別講演会での登壇が予定されている元開冨士雄氏(神奈川県開業)からの発言もあり、活発な意見交換がなされた。

 その他にも、会員の中野崇氏(愛知県開業)、桑原茂久氏(京都府開業)、高尾賢太郎氏(大阪府開業)によるパネル発表が行われ、成功裡に終了となった。