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2021年5月26日

クインテッセンス出版株式会社、第8回WEBINARを開催

船登彰芳氏による「Flap stabilityとSoft tissue preservationからみた再生療法」をテーマに

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 さる5月26日(水)、船登彰芳氏(石川県開業)によるWEBINAR #8「Flap stabilityとSoft tissue preservationからみた再生療法」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催され、150名が参集した。本講演は、「the Quintessence」2021年1月号から5月号で連載された同テーマの内容を取り上げ、執筆者の1人である船登氏によって行われた。

 冒頭では船登氏より、「コロナ禍のなか自分にできることで何があるのか考えたとき、論文の執筆を考え多くの論文にふれ、その中心になるものが再生療法であった」との連載に至った経緯が語られた。

 講演では歯周組織再生療法を成功させるにあたり、術前、術中、術後とさまざまな局面を想定した重要事項を述べ、成功させるカギとして初期閉鎖(site protection)を掲げた。またその最初の条件として根表面への血餅の付着を挙げ、そこから再生の場(scaffolds)の担保や血餅の安定(blood clot stability)につながると詳説。適切な処置が歯周組織の安定に寄与すると力説した。
 
 次に、歯肉の厚み・角化歯肉幅の考慮の重要性と、歯周組織再生医薬品「リグロス®」のパフォーマンスについて概説。歯肉が薄く角化歯肉幅が狭い場合、再生療法は失敗しやすいことから再生環境を整える(歯面との安定化を図る)必要性を訴えた。また、リグロス®の主成分であるFGF-2が誘導歯根膜細胞を増殖させ、歯根膜細胞の線維芽細胞や骨芽細胞、セメント芽細胞への分化を促すことで、歯周組織の再生が起きる機序を構築できると主張する論文を紹介。その後、リグロス®と骨補填材「サイトランスグラニュール®」を併用した症例などを動画とともに供覧し、参加者の注目を集めた。

 船登氏のエクスペリエンスとエビデンスが盛りだくさんとなった学びに満ちた本セミナー。講演後の質疑応答では、サービス精神旺盛な船登氏が終了時間を超過してもなお1つひとつの質問にていねいに回答を行い、最後に参加者へ熱いメッセージを送るなど盛会となった。

 なお、第9回WEBINARは、きたる6月24日(木)20時より、今井一彰先生(福岡県開業、医師)を招聘し、「もっとまるわかり鼻呼吸」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。