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2021年5月27日

第70回日本口腔衛生学会・総会、Web配信にて開催

「地域・社会から求められる口腔衛生学の専門性とは何か」をテーマに

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 さる5月27日(木)から6月10日(木)まで、第70回日本口腔衛生学会・総会(森田 学大会長、天野敦雄理事長)が「地域・社会から求められる口腔衛生学の専門性とは何か」をテーマにWeb配信にて開催された。記念式典および70周年記念講演はリアルタイムで配信されたほか、7題のシンポジウムをはじめ、学術賞LION AWARD受賞講演、論文奨励賞受賞講演、国際セッション、モーニングセッション、共催セミナー、ミニシンポジウムなど多彩なプログラムが用意された。

 70周年記念講演「日本口腔衛生学会の序章、そして未来への飛翔」では、山下喜久氏(日本口腔衛生学会副理事長)、森田 学氏(日本口腔衛生学会・総会学会長)を座長に、神原正樹氏(大歯大名誉教授)、宮崎秀夫氏(新潟大名誉教授)、天野敦雄氏(阪大)らが登壇。はじめに、神原氏が10年前の口腔衛生学会を取り巻く状況について述べ、かつ今後の健康増進に向けての課題についても提言した。続いて宮崎氏は、口腔衛生学会として、残すもの、新しく取り入れるものを各々が判断し、決定していくことの重要性を語った。天野氏は生涯28達成のストラテジーとして、セルフケア、プロフェッショナルケア、コミュニティケアの3つが揃うことが大切であると述べた。また、生涯28達成に向けて、歯科公衆衛生専門人材育成、予測歯科医療の保険収載、生涯28の近未来ロードマップづくりの3つの目標を掲げた。

 シンポジウム4「今、あらためて問われる、歯科衛生士の配置の意義」では、はじめに武井典子氏(日本歯科衛生士会会長)より、歯科衛生士の就業状況をふまえ、地域包括ケアシステムの構築が急がれるなかで診療所勤務の歯科衛生士に求められることが語られた。それをふまえ、日本歯科衛生士会による復職支援活動、離職防止推進事業等にもふれられた。

 続いて、歯科衛生士の役割について、病院勤務の立場から仲程尚子氏(沖縄協同病院)が、施設勤務の立場から喜屋武由美子氏(北中城若松病院)がそれぞれ講演。両氏とも、患者本人・家族を中心に考える重要性について症例をもとに説き、さらには他職種の専門性をお互いに理解し尊重したうえで協同していく必要性を訴えた。久保山裕子氏(福岡県歯科衛生士会)からは、地域包括ケア会議において歯科衛生士がどのような役割を果たすべきか、そのために確認しておきたい患者情報について詳説された。

 最後のディスカッションでは、座長の尾崎哲則氏(日大教授)のもと、多職種連携におけるポイントや心構えについてそれぞれの立場から語られ、歯科衛生士へのエールが飛び交った。