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2021年6月9日

日本臨床矯正歯科医会2021年度通常総会・6月例会開催

医療管理・社会医療関連テーマを中心に

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 さる6月9日(水)、10日(木)の両日、ベルサール九段下(東京都)において「日本臨床矯正歯科医会 2021年度通常総会・6月例会」(稲毛滋自会長)がWeb配信にて開催された。

 ハイブリッド開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症流行にともなう緊急事態宣言の影響を受け、すべてのプログラムがWeb開催となった。症例展示や支部長会、一部の学術委員会プログラムなどが中止となったものの、会自体は滞りなく進行された(ビュー数は延べ378名)。

 プログラムの多くは、医院経営実態や患者の治療継続、マウスピース型矯正装置で矯正歯科治療を行った患者へ実施したアンケートの集計・考察、また矯正歯科治療をめぐる契約・法的問題など、矯正歯科の医療サービスと消費者の関係にかかわるテーマのものが占めた。

 そのうち社会医療委員会プログラム2「初期の技工料金が高額である矯正歯科治療の返金について」では、岡下慎太郎氏(奈良県開業、本会社会医療理事)により、2015年に同会が提言した「安心して治療を受けていただくための6つの指針」が確認された(下記参照)。
(1)セファログラム検査をしている(重要)
(2)精密検査を実施し、それを分析・診断したうえで治療している(重要)
(3)治療計画、治療費用について詳細に説明をしている(重要)
(4)長い期間を要する治療中の転医、その際の治療費清算まで説明をしている(重要)
(5)常勤の矯正歯科医がいる(推奨)
(6)専門知識がある歯科衛生士、スタッフがいる(推奨)

 一方隣接医学講演として行われた仲野和彦氏(阪大大学院歯学研究科小児歯科学教室教授)による講演「歯科治療と感染性心内膜炎―基礎知識と最近の研究結果―」では、感染性心内膜炎(IE:Infectious Endocarditis)に関して、その病態、う蝕・抜歯治療のIEに対する影響、日米における本疾患予防目的の抗菌薬使用に関するガイドラインの変遷とともに、本疾患の患者の多くで感染源はどこか判明しないにもかかわらず、判明している感染源の中では歯科疾患が最も多くを占めるため、医科では歯科に関する確認項目が多い旨などが解説された。

 またスタッフ&Dr.プログラム2「新型コロナウイルス感染症」では、感染病専門医として著名かつ多忙を極める忽那賢志氏(国立国際医療研究センター国際感染症センター)により、今般流行している表題の感染症について最新の知見とビッグデータの供覧、3種のワクチンについて、また現在もっとも効果的な予防策は3密を避け、マスクによる飛沫拡散防止、手洗いの徹底というこれまでと変わらないことであることが解説された。