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2021年6月12日

第38・39回日本顎咬合学会学術大会・総会、Web配信にて開催

「真・顎咬合学 今こそ団結!臨床力を磨く」をテーマに

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 さる6月12日(土)から21日(月)の期間、Web配信にて、(特非)日本顎咬合学会(黒岩昭弘大会長、理事長)による第38・39回日本顎咬合学会学術大会・総会が「真・顎咬合学 今こそ団結!臨床力を磨く」をテーマに開催され、登録者は3,612名であった。オンデマンド配信期間中の10日間に、特別講演・依頼公演、会員発表(口演、ポスター)、メーカープログラムなど100を超える演題が行われた。

 特別講演にはBrian Mealey氏(米国・テキサス大サンアントニオ校ヘルスサイエンスセンター歯周病科教授/同大大学院プログラムディレクター)が招聘され、「Periodontal Medicine: The Connections Between Periodontal Health and Systemic Well-Being(歯周病学:歯周の健康と全身の健康のつながり)」と題し、パート1「歯周病の病態の基本」、パート2「歯周病と糖尿病との関係」、パート3「歯周病と心血管疾患の関係」、パート4「歯周病と妊娠の関係」に分けて歯周病と全身の健康について講演が行われた。

 そのなかでも特にパート3「歯周病と心血管疾患の関係」では、その1つとして日常的な何気ない動作(ガムを噛む、歯を磨くなど)でも歯周病を引き起こすバクテリアやその生成物が全身へ流れていることを指摘。それらが血管内に留まっている患者は、血管内皮にダメージを受けている可能性があり、さらに内皮機能の変化は、心筋梗塞、脳卒中などの血栓塞栓症の主要な原因となっていると、さまざまな研究結果を供覧しながら歯周病予防と治療の大切さを訴えた。

 パート4では「歯周炎と妊娠の関係に」について解説。妊婦が歯周炎に罹患していると低体重児と早産のどちらか、またはその両方が起こりやすくなることや、妊娠中の歯周炎が重症であるほど早産のリスクが高まることを示しながら、妊娠中の歯周病がさまざまなリスクを高めることと関係があると詳説した。ADA(米国歯科医師会)は歯周炎をもつ妊婦に対して「妊娠中」に非外科の歯周治療を行うことを強く推奨していると述べ、口腔内の炎症を最小限に抑え、口腔内環境を整えることが歯科医師、歯科衛生士の重要な仕事であることを強調した。

 なお学術大会期間中に開催予定であった公開フォーラムは、きたる7月17日(土)から 26日(月)の10日間へ変更となり、オンデマンド配信される予定である。詳細は以下を参照。

公開フォーラムⅠ「超高齢社会における歯科の役割」
座長:南 清和氏(大阪府開業)、上濱 正氏(茨城県開業)
講演者:河原英雄氏(歯科医師)、竹内孝仁氏(医師、日本自立支援介護・パワーリハ学会理事長)、長谷川嘉哉氏(医師、土岐内科クリニック)、植田耕一郎氏(日大歯学部摂食機能療法学講座)、油井香代子氏(医療ジャーナリスト)

公開フォーラムⅡ「口腔がん」
座長:今井 裕氏(一般社団法人日本歯科専門医機構理事長)
講演者:柴原孝彦氏氏(東歯大千葉歯科医療センター)、堀 ちえみ氏(歌手・女優)、嶋田 淳氏(明海大歯学部付属病院)、垣添忠生氏(医師、公益財団法人日本対がん協会会長)