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2021年10月31日

第2回くちを大きく考えるシンポジウム開催

医・歯・薬それぞれの視点から議論が展開される

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 さる10月31日(日)、タイム24ビル(東京都)において、第2回くちを大きく考えるシンポジウム(株式会社野村クリエイト主催)が開催され、現地には100名以上の医療関係者が参集した。

 本シンポジウムは脳神経外科、公衆衛生学、精神医学など多種多様な分野における演者を招きそれぞれの視点から口腔がんや認知機能、摂食嚥下など、歯科とも関連性の高い話題を中心にバラエティー豊かな講演会が行われた。

 冒頭の開会挨拶で発起人の野村洋文氏(埼玉県勤務)は、歯科医療は「将来的には医科の中に組み込まれるのではないか」という持論を述べるとともに、本シンポジウムを「未来の歯科医療への投資と発展の布石にしたい」と主張した。なお、講演タイトルと演者は以下のとおり。

 ・「骨格・姿勢と認知機能の関係」(濱崎清利氏、社団法人日本ブレインケア予防研究所理事新別府病院脳神経外科医長)
 ・「口腔がんについて・各論」(川又 均氏、獨協医科大医学部口腔外科学講座主任教授)
 ・「健康食品について」(堀口逸子氏、東京理科大薬学部薬学科教授、前内閣府食品安全委員)
 ・「地方創生、地方の活性が日本を元気にする」(中川有紀子氏、前立教大ビジネスコミュニケーション科教授・現慶應義塾大産業研究所研究員/田端 浩氏、前観光疔長官・現三井住友銀行顧問)
 ・「精神医学と歯科との接点」(伊藤 拓氏、大内病院副院長)
 ・「慢性疼痛 長引くいたみにどう対処する?」(三木健司氏、大阪行岡医療大医療学部特別教授早石病院疼痛医療センター長)
 ・「摂食嚥下について」(津田豪太氏、聖隷佐倉市民病院耳鼻咽喉科部長摂食嚥下センター・リハビリテーションセンター長)

 その中でも、最初の演者である濱崎氏の講演では、主に咬合力の低下が全身に与える影響について語られた。噛む回数が少ないことや噛み合わせの悪さが不正咬合を招くことを説明するとともに、不正咬合は姿勢の悪化、脊椎の歪みを引き起こしさまざまな体の不調つながると主張。また、噛むことの効果を挙げるとともに、口腔機能の低下と認知障害の関連性について論文を供覧しながら言及した。

 また、堀口氏の講演では、主に機能性表示食品や医薬品と健康食品の違いについて言及され、その際2択でのクイズが行われた。その後の三木氏の講演でも患者さんに「歯の痛みが治らない」と訴えられた際になんと返事を返すかという課題で、患者さん役と医師役にわかれたワークショップが行われるなど、演者と参加者が一体となって講演をつくり上げた。

 各講演の最後には質疑応答が行われ、講演内容や臨床上での疑問など医・歯・薬それぞれの視点から質問が飛び交い、歯科の垣根を超えた議論が展開され盛会となった。