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2022年2月9日

クインテッセンス出版株式会社、第18回WEBINARを開催

高野琢也氏、松井徳雄氏が「根面被覆術の術式選択」のテーマでWeb講演

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 さる2月9日(水)、高野琢也氏(茨城県開業)と松井徳雄氏(東京都開業)によるWEBINAR#18「根面被覆術の術式選択」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催され、70名以上が参加した。

 まず、高野氏は『ザ・クインテッセンス』2021年9月号の「My First Stage」に掲載した症例をもとに、根面被覆術の適応症について概説。歯周病が原因でない場合、解剖学的因子と悪化因子が合わさることによって歯肉退縮が起こると説明し、本講演の導入とした。

 次に、論文をもとに歯肉退縮に対する治療のゴールと、根面被覆術における成功基準の共通点として(1)CEJ(セメントエナメル境)まで根面が被覆されている、(2)付着歯肉の幅が十分である、の2点を成功のポイントとして強調した。

 また、歯肉退縮の生じやすさを示す指標を供覧。日本人の多くはMaynardの分類Class 4に該当し、「歯槽骨が薄い、付着歯肉が少ないことから歯肉退縮が生じやすい」との認識を示し、付着歯肉の厚みを増大させることで歯周組織の改善を図る根面被覆術の目的を解説した。
 
 続いて、コメンテーターとして、書籍『イラストレイテッド 安全・安心・確実 根面被覆術』の著者でもある松井氏が「根面被覆術 術式の選択」のタイトルにて講演。冒頭、安心・安全・確実な根面被覆術を行うための重要項目に「適応症の選択」と「術式の選択」を挙げた。また、移植片を採取する際の採取法について、基準となる歯肉の厚みにポイントを絞りながら解説した。

 その後、メスの角度・深さや切開の仕方、縫合方法などを写真や動画を供覧しながら詳説。術式の選択のポイントには(1)歯肉退縮量、(2)口腔前庭の深さ、(3)対象歯数、(4)角化歯肉の幅を挙げ、該当する術式をフローチャートで示しながらそれぞれの術式の注意点やメリット・デメリットについてていねいに解説した。

 最後は、「Coronally Positioned Flap、Modified Langer Technique、Free Gingival Graftの3つの術式を習得すれば、ほとんどの症例に対応可能である」とまとめた。

 講演後の質疑応答では多数の質問が寄せられるほど根面被覆術の関心の高さがうかがえるとともに、高野氏、松井氏は終了時間を超過してもなお、ていねいに回答するなど盛会となった。

 なお、次回のWEBINAR#19は、きたる3月3日(水)、小田師巳氏(大阪府開業)を招聘し、「大規模GBRとそれを回避するためのリッジプリザベーション」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。